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トム・クルーズの役者人生を代表するアクションシリーズ「ミッション:インポッシブル」。
今回取り上げる「ミッション:インポッシブル フォールアウト」は第6作目にあたる作品ですが、この作品に限らずどれもアクション大作として公開されるたびに大ヒットが定番です。
回を追うごとに激しくなるトムのアクションはファンを惹きつけて離しません。
そして「ミッション:インポッシブル」といえば欠かせないのが”消える指令”。
毎回違った演出でトムのもとに届けられるIMFの指令ですが、この作品ではホメロスの「オデュッセイア」が使用されたことでも話題になりました。
この記事ではこの「オデュッセイア」がこの映画の何を象徴しているのかを徹底考察。そして迫力のアクションシーンに関するトリビアもご紹介します。
「オデュッセイア」に隠された指令
「ミッション:インポッシブル」シリーズでは必ず物語の冒頭にトムがエージェントとして所属するIMFから指令が届きます。
この指令は”消える指令”として非常に有名。
これは「ミッション:インポッシブル」シリーズの原作であるアメリカの人気ドラマ「スパイ大作戦」でも見られたシーンで。
届いた指令は一定時間で何らかの方法によって消去されるようになっています。
「なお、このメッセージは5秒後に自動的に消滅する。」はIMFからの定番メッセージですが、このメッセージによって一気に観客は「ミッション:インポッシブル」の世界に入り込んでいくのです。
第6作目「ミッション:インポッシブル フォールアウト」では、この指令が古代ギリシアの吟遊詩人ホメロスの著作である壮大な叙事詩「オデュッセイア」の中に隠されていました。
「オデュッセイア」とは
「オデュッセイア」ではトロイア戦争の英雄であるオデュッセウスの苦難に満ち溢れた10年もの漂流の旅、そしてさまざまな困難が襲い掛かる中何とか故郷に戻り、愛する妻と再会を果たす様子が語られています。
トロイア戦争で有名なのは「トロイア(トロイ)の木馬」でしょう。このトロイア(トロイ)の木馬作戦を実行した知将がオデュッセウスなのです。
トロイア戦争の英雄オデュッセウスの苦難の物語
オデュッセウスはトロイア(トロイ)の木馬作戦によって勝利を得ます。
しかし、海神ポセイドンの怒りを買ったために罰を受けることになり、海路で故郷に向かうオデュッセウスの艦隊は流され、その後も放浪を続けることになってしまいます。
彼自身を襲うさまざまな困難のほかにも故郷で彼の帰りを待つ美しい最愛の妻のもとにもオデュッセウスの留守をこれ幸いと求婚者が押しかけ、傍若無人にふるまうなど危機が訪れます。
最終的には求婚者や裏切り者の侍女たちをオデュッセウスが討ち果たし、妻に再会を果たします。
なぜ指令は「オデュッセイア」に隠されたか
今回の指令はこのオデュッセイアに隠されてトム演じる主人公、イーサン・ハントのもとに届きます。
任務の内容は「盗まれたプルトニウムの奪還」
今回の指令は盗まれたプルトニウムの奪還。プルトニウムは言わずと知れた放射性元素であり、核爆弾にも使用される極めて危険な物質です。
もしかしたらこのプルトニウムそのものが神の怒りを買ったオデュッセイアを象徴しているともいえるかもしれません。
過酷な試練を経て迎えた妻との邂逅の象徴
また毎回のことではありますが、このIMFからの指令によってイーサン・ハントは命の保証のない不可能な任務=ミッション・インポッシブルに臨むことになります。
自分の命はおろか大切な人、自分の周りにいる人まで巻き込みかねない過酷な任務。
任務の遂行は常に困難を極め、残酷な選択が強いられることも少なくありません。
そのため常にチームの仲間以外の人を寄せ付けず、孤独な人生を歩むことを余儀なくされました。愛し合った妻、ジュリアとも別の道を歩むことになったのです。
お互いに愛し合ったまま。彼女を守るために。