出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0845D7F9G/cinema-notes-22

映画「ムカデ人間」ほど映像面で強烈な印象を残す作品もそうはないでしょう。

悪夢を現実にしたようなムカデ人間の姿は、一度作品を鑑賞した人間の脳裏に焼き付き離れません。

シリーズを重ねるごとにその表現はパワーアップし、2015年の「ムカデ人間3」ではこれまでで最長のムカデ人間が登場しました。

グロテスクな表現のみに留まらず、トム・シックス監督が本人役で出演するなど笑いも交えた作品です。

終盤ではムカデ人間だけでなく、手足を切り取られたイモムシ人間も登場しました。

わざわざ囚人をイモムシ人間にする真意は何だったのでしょうか。

またヒロインのデイジーはなぜムカデ人間に巻き込まれたてしまったのか。

この記事ではそれらと州知事が最後にムカデ人間を認めた要因を合わせて考察しました。

ビル・ボス所長について

はじめに本作の主人公であるビル・ボス所長について振り返ってみましょう。

残虐非道な暴君

暴君 シェイクスピアの政治学 (岩波新書)

凶悪な囚人たちばかりの刑務所で、所長を務めているのがビル・ボスでした。

彼も囚人たちに負けず劣らず残虐非道な男で、事あるごとに囚人たちに暴力を振るっています。

囚人たちだけでなく秘書のデイジーを性奴隷として扱い、会計士のドワイトの言葉は無視するなどやりたい放題でした。

性癖も異常で、食事の時間に性器を食べるなどおぞましさを感じる人物です。

しかしそんなビルもヒューズ州知事だけは苦手としていました。

気の弱い小心者

臆病者のコミュニケーション 考える、思いつく、伝える

暴君な人物である反面、ビルは非常に小心者でもありました。

ヒューズ州知事に逆らえないだけでなく、囚人たちに襲われる夢を見る場面からもそれが窺えます。

ビルの横暴な振る舞いは、小心な自分を隠すためと囚人の恐怖から逃れたいが故の行動でしょう。

デイジーを性奴隷として身近に置いているのも、支配欲と快楽で恐怖を忘れたいためと考えられます。

ビルは確かに残虐非道な人間ですが、同時に人間的な弱さを抱えた人物でもありました。

イモムシ人間にする真意

ビルが死刑囚や無期懲役囚をイモムシ人間にする真意は何だったのでしょうか。

恐怖を抑えるため

恐怖: アーサー・マッケン傑作選 (創元推理文庫)

作中から読み取れるビルの人間性から考えると、イモムシ人間にする真意は自分の恐怖を抑えるためだと考えられます。

死刑囚や無期懲役囚は、単純に考えれば囚人の中で最も凶悪な存在ですね。

ただでさえ恐ろしい囚人が多く、常に彼らに脅かされているビルにとって死刑囚は一番怖い存在です。

いつどんな手段を使って自分の命を奪いに来るかわからない存在なので、完全に自由を奪っておきたかったのでしょう。

社会には戻らない人間であるため

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