更に、ビリーが入ったロイヤルバレエ団はイギリス王立のバレエ団です。
下流社会のビリーが名誉ある舞台で主役を踊っている姿、それこそ監督の伝えたかったメッセージそのものだったのです。
どんな身分に生まれても才能と努力によって上に立つことが出来るということを、ラストシーンに込めたのではないでしょうか。
ビリーのモデルは実在したのか
「リトル・ダンサー」の映画はとてもリアルで、実話なのかと時々噂されます。
劇中に実在のバレエ団や、実際の歴史が描かれているためにフィクションなのか否か迷ってしまうようです。
ロイヤルバレエ団
劇中に登場するロイヤルバレエ団は、実在する名門バレエ団です。
1956年、王室勅書によりマーガレット王女を名誉総裁とする王立バレエ団となる。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ロイヤル・バレエ団
世界に誇る歴史ある名門バレエ団です。
かなりの高き壁ですが、炭鉱町で育ったにもかかわらずこのバレエ団に挑んだビリーの勇気は称賛に値します。
Philip Marsdenがモデル?
劇中に登場するダンサーは、実在していません。
一時は、ラストシーンに登場するアダム・クーパーの実話といわれていましたが、彼の生い立ちなどをみると全く違います。
全てフィクションで描かれたストーリーというのが真実でしょう。
しかし、一説ではロイヤル・バレエ団のPhilip Marsden(フィリップ・マースデン)がモデルではないかと囁かれているようです。
原題に込められた意味
「リトル・ダンサー」は邦題です。
原題は「BILLY ELLIOT」、主人公ビリーの名前をタイトルに掲げています。
劇中ではイギリスの北部にある炭鉱町が舞台になっていました。
ELLIOTは、イギリス北部によくみられる名字なのだそうです。
更にBILLYには独立や自由という意味がこめられています。
原語のままご覧になった方はお気づきかもしれませんが、北部なまりをリアルに使用した映画です。
好きなことで生きていく彼の名前をタイトルに掲げたことにも意味があったのでしょう。
しかし、日本ではこのニュアンスが伝わりにくい為邦題を「リトル・ダンサー」に変えました。
「リトル・ダンサー」は自由への希望
本作品は夢を叶えるサクセス・ストーリーであると共に、社会風刺でもあります。
炭鉱町から誕生したロイヤルバレエのプリンシパルは、時代の希望となりました。
また、ビリーを愛する家族の愛情も見逃せないポイントです。
未来ある子供達に、是非残していきたい名作ではないでしょうか。