ジャングルから1996年の世界に戻ってきたアランが1発目に引き当てたのがハンターであるヴァン・ペルト。
このハンターはジャングルの中でもアランをつけ回した厄介者でした。
ジュマンジの中から飛び出してくる敵は、次の番の人がコマを進めるとどこかへ行ってしまいます。
しかしハンターだけは最後まで消えてくれません。これには特別な意味があるのでしょうか。
父への恐怖心
アランの父親はアランを強い男に育てるため、厳しく接していました。
アランにとっては恐怖の対象となっていたのでしょう。
その恐怖心がハンターという虚像を作り出し、しつこくアランを追いかけていたのです。
そう考えるとハンターがアランに正々堂々と男らしく立ち向かってくることを強要するのも納得できます。
同じ俳優が演じていた!
ハンターがアランの父を反映させたキャラクターだったことは、演じていた俳優からも分かります。
なんとアランの父を演じていた俳優とハンターを演じていた俳優が同一人物だったのです。
いわれるまで気づかなかった人も多かったと思います。
監督がここまで手の込んだ仕掛けをしていることから、父と子の愛情がアランの成長のキーポイントだったことが分かります。
時系列とキーポイント
ジュマンジはシーンごとの構成がとてもわかりやすく丁寧に作られており、約15分ごとに物語に規則的な変化が起きています。
ゲームを見つける前・直後
アランの旧家に越してくるジュディとピーターは大人を小馬鹿にした子供らしからぬキャラクターでした。
ジュディは不動産屋さんに嘘泣きの演技をしたり、ピーターは言葉を話せないかのように振る舞っていたのです。
それとは対照的にアランの精神は26年前のまま。サラだって止まった時の中にいました。
大人びた子供と子供のままの大人。この4人がこの後どのように変化していくかが今作の見所です。
等身大の役割
4人が揃って困難に立ち向かうことにより、それぞれの失ったもの、足りない部分を補うことになります。
今まで消極的だったアランとサラは子供たちを助けるため大人としての役割を果たすのです。
過去に囚われ成長できなかった2人の転換期が訪れる場面といっていいでしょう。
そしてそれまで大人達を導く存在であったジュディやピーターも、ここでは大人に助けを求める「子供らしい描写」が目立ちます。
4人の立ち位置が明確に、そしてそれぞれの成長を感じさせる場面です。
守られる存在から守る存在へ
いじめられっ子で、サラの方が強いくらいだった少年期のアランはもういません。
サラがワニに食べられそうになるのを身を挺して阻止したのです。守られる存在から守る存在へと成長したアラン。
このゲームは参加者に試練を次々に与えますが、それらは彼らを成長させるためにあるのではないでしょうか。
人生は試練の連続です。試練を避けながら生きていたら、本当になりたい自分になれないのかもしれません。
経験から学べば時間は逆行する
12番目に起こった時間逆行は、マス目が戻る代わりに11番目の底なし沼からアランを救っただけではありません。