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「魔女の宅急便」はジブリに初黒字をもたらした伝説的アニメーションです。
13歳で独り立ちするキキと黒猫のジジがとても愛らしいですが、二人の関係にはジブリが意図する仕掛けが隠されていました。
キキがジジの言葉を理解出来なくなってしまった本当の理由とは一体何でしょう?
魔女と黒猫の関係
「魔女の宅急便」でもお馴染みの黒猫と魔女の関係ですが、なぜ黒猫は魔女のパートナーとして広く認識されているのでしょう?
エジプト神バステトに由来する
黒猫が魔女のパートナーと呼ばれるようになったのは、古代エジプトのバステト神に由来します。
バステトは黒い猫の顔を持つ女神で、人々を病気などから守る神様として信仰されました。
しかし後世において一部の信者が洞窟などで異様なバステト信仰を行った為、この集会が魔女集会と呼ばれるようになったのです。
魔女集会では黒猫の仮装をしたり、ほうきに薬品を塗ってまたがるなどの儀式を行っていたようで、これが現在の魔女の姿となったといわれています。
魔女狩りに由来するという説もある
中世ヨーロッパでの黒歴史といえば、魔女狩りが挙げられます。罪のない独身女性が次々に処刑されました。
この時、魔女として処刑された独身女性の多くが猫を飼っていたともいわれています。
1人暮らしの女性が猫を飼うのは、ごくありふれたことですが、狂った思考が横行した中世ヨーロッパでは魔女=猫のイメージが定着していたのでしょう。
「魔女の宅急便」は魔女のイメージを覆した
「魔女の宅急便」には角野栄子による原作があります。この作品に目をつけジブリが1989年に同タイトルでアニメ映画として世に送り出しました。
そしてこれが黒いドレスを着た魔女の陰気なイメージを大きく変えた作品となったのです。
劇中のジジは13歳
魔女のしきたりとして「女の子が生まれたら同じ時期に生まれた雄の黒猫を一緒に育てる」ことになっています。
ということは、黒猫ジジはキキと同じ13歳ということになり人間でいう所の68歳程になります。
実際の猫の平均寿命は15歳程なので、ジジはかなりの高齢猫ということになります。
劇中での落ち着いたものいいや、キキを諭すような口ぶりも納得の年齢です。
魔女の家のしきたり
魔女の家のしきたりは下記のように幾つかあります。
- 女子が生まれたら魔女として育てること
- 13歳の満月の夜に修行に出ること
- 同じ時期に生まれた雄の黒猫を一緒に育てること
- 黒いドレスを着ること
- 1年間魔法で生計を立てること
立派な魔女になるのは並外れた努力が必要なのです。
13歳で独り立ちする理由
13歳で独り立ちといえば、中学1年生で独り立ちすることになります。この13歳という年齢も実は重要な意味をもっています。
キキが街ですれ違う同じ年頃の女の子たちはお洒落を楽しみ、遊びやパーティを楽しんでいます。