出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00005R5J8/?tag=cinema-notes-22
「平成狸合戦ぽんぽこ」は1994年7月16日に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション作品です。
語りなどが多く用いられ、“ジブリっぽくない映画”ともとれますが、そこには狸と人間の対決を軸にした壮大なテーマが込められていました。
今回は自然破壊だけではないこの映画のテーマや、宝船の意味、最後のぽん吉のセリフに込められた意味などを徹底解説していきます!!
信仰心を失った未来の日本人への警鐘
「平成狸合戦ぽんぽこ」は自然破壊というものが印象的に残る作品でした。しかしそこには秘められた意外な裏のテーマがあったのです。
ただのアニメ作品ではない!
この映画はただのアニメ映画ではなく、ドキュメンタリーに近い作品といっても過言ではないでしょう。
イスラム教やヒンドゥー教、キリスト教を信じる他国とは違い、日本には何か一つのものを特定して国民総出で信じるという風潮がありません。
新興宗教が蔓延しており、人それぞれで信じるものの対象が異なっています。宗教を信じないという人が多いのも昨今の日本人の特徴です。
信じる対象が多すぎて、人々は何を信じたらいいのかという事を逆に見失っているのです。
それは自然や神、目に見えないものへの畏怖や恐れを失うという話に次第に繋がっていきました。
現代日本人が今こそ観るべき作品
「平成狸合戦ぽんぽこ」はそうした現代の風潮に警鐘を促しているのです。
信仰心が薄くなってしまったが為に現代人は目に見えない「神様」というようなものの存在を浅く見るようになりました。
それは自然に接する態度にも同じ事が言えます。
「自然を大切にしよう」と言われる反面、地球温暖化などが現代社会では大きく懸念されています。
しかし最近の日本は大地震・水害などで甚大な被害を受けました。
そういった昨今の異常気象とも呼べる現象が起きた時人間は「自然の神様が怒っている」などという事を口を揃えて言います。
「平成狸合戦ぽんぽこ」は目に見えないものへの信仰心を失ってしまった人々戒めるような作品なのです。
そんな現代だからこそ、もっとたくさんの人に観られていい作品と言えるでしょう。
昔の人には妖怪が見えていた!?
昔の日本人には妖怪が見えたという話を聞いた事があります。
しかし人間は文明の発展などと共にその力を次第に失っていく事となりました。
その光景がこの作品の中で見られる「妖怪大作戦」でも巧みに描かれています。
人間は狸たちが化けた妖怪を本物だとは思わない描写がされていますが、それがまさに「目に見えないものへの信仰心の欠如」なのです。
妖怪が見えたら怖がるのが普通なのでしょうが、それどころか人々は狸たちの作戦を声を上げて喜んでいます。