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「幼い頃、雨の日に怖くなるとレインマン来て歌ってくれた…」ボクは彼と遊んだ時間がとても楽しく嬉しい時間だった。
あの雨男は想像の中に出てくる空想の人物だったのか?なぜ、ボクの目の前に現れなくなったのか?この旅はそれを知るための時間だった。
今回はアカデミー作品賞、アカデミー主演男優賞を受賞した不朽の名作『レインマン』(1988年公開)アメリカ映画を考察します。
「レインマン」の意味とは?
映画の題名「レインマン」にどんな意味があるのかは劇中から2つみつかります。チャーリーとレイモンドそれぞれの目線で違うレインマンです。
チャーリー目線の「レインマン」
チャーリーの空想話で幼い頃に雨が降ると現れ、歌を唄ってくれる男を雨の日に出てくる男だから名付けたという「レインマン」のことです。
レイモンド目線の「レインマン」
レイモンドが歌を唄ってあげると幼いチャーリーはうまく「レイモンド」と言えず、「レインマンおかしい」と言ったという「レインマン」です。
映画の公開後にできた新たな意味のレインマン
映画の公開後「自閉症」という知的障害がありながら秀逸した才能をもった人を指す意味で「rain man」と表現するようもなりました。
レイモンドのモデルとなった人物
ダスティン・ホフマンが演じるレイモンド・バビッドには実在の人物がモデルとして存在します。
先天性の脳障害を持って生まれ、後にサヴァン症候群と診断されたキム・ピーク氏(享年58歳)です。
レインマンのモデルとなったキム・ピーク氏
キム氏は生涯で8000冊以上の書籍を記憶し、人の生年月日が何曜日だったかを即座に言えるという記憶力に優れた才能を持っていました。
撮影前にはレイモンド役のダスティン・ホフマンがサヴァン症候群の人の症状を知るために、キム氏と面会したというエピソードがあります。
サヴァン症候群とは
サヴァン症候群など(サヴァンしょうこうぐん、英語: savant syndrome)とは、知的障害や発達障害等のある者の内、ごく特定分野に限って優れた能力を発揮する者の症状を指す。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/サヴァン症候群
映画の中でも、レイモンドが典型的なサヴァン症候群の人物として描かれる場面があります。
例えばホテルでチャーリーから渡された電話帳の中身をすべて暗記したり、カジノのカードゲームで大勝するシーンなどです。
レイモンドの卓越した記憶力
誰にでも忘れられない記憶や忘れてしまいたい記憶というものがありますが、その忘れてしまいたい記憶がトラウマとなることもあるでしょう。
記憶力が結んだレイモンドとチャーリーの「出会い」
チャーリーに父親の遺産として譲渡された「1949年型ビュイック・ロードマスター」は、兄の存在をしらなかったチャーリーとの対面の鍵です。
レイモンドが車の型式を正確に言えたことやシートの色が変わったこと、家の住所を克明に記憶していたことが知るきっかけでした。
記憶力が残したレイモンドへの「傷」
レイモンドは赤ん坊だった弟のチャーリーに熱湯で火傷を負わせそうになり、父親から激しく叱責をされたことが深い傷となって残りました。
そのできごとでレイモンドは施設に行くこととなり、家を出る日のチャーリーの様子や天気などが鮮明に残っていることは辛い記憶です。
記憶力が生んだレイモンドへの「誤解」
レイモンドはチャーリーに怪我をさせたから施設へ入れられたと思い、チャーリーも自分のせいで兄が施設に入れられたと思ってしまいます。
でも、本当にそうなのでしょうか?レイモンドには多額の財産をチャーリーには愛車ビュイックを残したことには何か意味があるように思います。
父親はレイモンドを施設に預けチャーリーを厳格に育て、レイモンドのことを理解させいつか対面させたかったのではと考えられないでしょうか?