つまり、楓が捨ててきたものは「仲間」という存在や「友情」とか「絆」という概念のことだと考えられます。
仲間関係を持たないことで余計な感情が自分の泳ぎに影響を与えず、泳ぎだけに集中させることが強さに繋がると信じていると思えます。
アルベルトと楓の違い
アルベルトと楓は両者共に人間関係を最小限にし、水泳だけに集中して強くなったアスリートであります。しかし、根本は似て非なるもの。
アルベルトに「仲間がいない」のは組織から強制的に隔離されたからで、楓の場合は自ら仲間を捨て一人を選んだというところでしょう。
“非情な強さ”のアルベルト
アルベルトの人間性や性格はまだ未知ですが、遥との泳ぎのシーンや遥へ向けた笑顔や感情には無垢さを感じます。
しかし、“非情”と表現するのには無邪気の中の残酷さがあるのではないか?ということです。
人懐こさすら感じるアルベルトは無意識に自分に興味を持たせ、その相手を完膚なきまでに破り捨てる非情さがあるように感じないでしょうか?
“無情な強さ”の楓
楓に関しても遠野日和と桐嶋郁弥の二人と接点があったとわかる程度の情報しかありませんが、2人へのただならぬ嫌悪感は伝わってきました。
そこから見えたのは水泳へのモチベーションを仲間とつるむ二人への、侮辱や敵対心という感情面からきているということです。
文字通り「情け無用」の強さでしょう。虚勢ではなく自分の選んだ道を証明することに強くこだわった歩み方をしてきたとわかります。
2020年東京オリンピックのキックオフ作品
2018年のテレビシリーズ第3期の終わりが「See you in 2020」で終わったことで、2年後に期待をしたファンが多い中で2019年7月の公開でした。
公開の直後に制作会社「京都アニメーション襲撃」事件があり、いみじくも「その夢を叶えるために!」が京都アニメの将来にも繋がりました。
新作は2020年夏の公開を予定しておりましたが延期だけが決まっていて、時期については正式な発表はありません。
本作品は京都アニメーションへ、今後の期待や励ましを込めて観ることができます。