感情で動く事はキャルに比べると低く、冷静で理論を重んじるタイプです。
父親のアダムの血を受け継いでいる面が大きく信心深く聖書も好きで、周囲からは“善人”との評価を受けています。
しかし、恋人であるアブラが絡む事になると、キャルに殴りかかるなどカッとなりやすい一面も。
普段は感情に流されないタイプですが、キャルとアブラの仲を嫉妬するなど、そういう部分では一番素直な人間といえるでしょう。
キャルとアーロンは憎しみあっている?
双子の兄弟なのに、キャルとアーロンは決して仲がいいわけではありません。
むしろ憎しみを抱きあっているようにも感じます。
それは父親がアーロンの方ばかりに愛情を注いでいる事が一番の原因です。
キャルは兄弟がまだ幼い時に家を出て行ってしまった母親の方に似た面をもっています。
その為なのか、父親に愛されていないと感じているのです。
しかし、キャルにはキャルの良さがあり、アーロンにはアーロンの良さがあります。
お互いの足りない面に嫉妬しているのか、それがお互いへの劣等感の塊のように映っているのです。
何故父は母の存在を隠していたのか?
父親であるアダムは母親は死んだと、キャルとアーロンに嘘をついていました。
何故、アダムはそんな嘘をついたのでしょうか?
そこに隠されたアダムの想いを紐解いていきます。
キャルとアーロンに心配をかけたくなかった
母親が出て行った事を知れば、今母親はどこにいて何をしているのか?知りたくなるのが子供心というものです。
実際にキャルが母親に会いに行ったように“会いに行く”という選択肢をとる人間もいます。
アダムは自分達の母親が家から出て行き娼婦をしているという事で、キャルとアーロンに心労をかけたくなかったのです。
知らない方が幸せな事もあるという、父親であるアダムの一つの思いやりの形であるともいえます。
母親を憎んでほしくなかった
“家族を捨てて出て行った”と説明するより、“死んでしまった”と説明する方が後者の方が聞こえはいいのは当然の事です。
そして、自分が愛した女性だからこそ、息子であるキャルとアーロンには母親を憎んでほしくなかったといえます。
アダムは今もかつての妻であったケートの事を愛しているのかもしれません。
信仰深く聖人であるが故に、それが原因でケートから憎まれてしまった自分のように、息子達には同じ思いをさせたくなかったのです。
息子達が“憎む”という感情で支配されないように、アダムなりのやり方で、息子達を守ったといえます。