自分が生まれてきた理由を知ったあとも姉ケイトを慕い治してあげたい気持ちは変わらず、助けられるならそうする意思はあったはずです。
暮してきた期間で育まれる姉妹の絆は、のちにサラの目論見を越えていたと知るのです。
ジェシーの存在感
ジェシーは失読症を発症した上に1年間施設へ入ることになったり、不在に気づいてももらえぬほど家の中では存在が薄かったのです。
アナはケイトの治療に必要な存在でしたが、ジェシーは家族の中で自分の存在価値や役割をどこで見出すのでしょうか?
ジェシーもまた逆襲ともいえる行動でサラの目を覚ますのです。
母親サラの意向とはいえ、アナは小さな体で姉ケイトの命を守ってきたといえます。
アナの身を削る施しも虚しくケイトの症状は改善せず、とうとう腎臓移植を必要とする事態となりアナの腎臓が必要とされます。
当然アナは提供すると思われる流れですが、なぜアナは提供を拒み両親を相手に訴訟を起こしたのでしょうか?
アナの反乱は本心なのか?
ケイトは自分を生かせようとしているサラの執念に疲れ、自分の病気が原因で家族がバラバラになることにも傷ついていたのでしょう。
アナが起こした訴訟はケイトが考え思いついた穏やかに死んでいくための方法で、「最後の望み」でアナはその願いを聞いたのです。
両親の思惑や家族の想像を超え、アナは姉思いで強く優しい少女に成長していました。
ブライアンの反乱
ケイトは思い出のビーチに行きたいと父ブライアンに頼みます。ブライアンはケイトの最後の望みを叶えてあげようと思ったのでしょう。
死への覚悟ができていたケイトと自然の摂理に逆らい、アナに大人の理屈を強いてきた責任が芽生え始めていたブライアンだったと思います。
病院に戻したいサラの意見をふりきってケイトの願いだったビーチへ連れていくことで、父親として娘にできる愛情の表れを示したのです。
家族の最後の風景
ケイトは病院に入れておくことが最善と信じて疑わなかったサラは、ビーチに向かうブライアンに後悔する結果になると強固でした。
そのサラが結果的にビーチに合流したのはサラの妹がなだめ諭したからでしょう。
ビーチに行き家族でピクニックやキャンプをした楽しい思い出を再現でき、ケイトの幸せで嬉しそうな笑顔を見たサラでした。
「後悔する」と言ったサラでしたが、もしサラがビーチに来なければこの幸せの時間は得られなかったのです。