その謎に迫っていきます。
加奈子の目的
加奈子の目的は、ずばり中学時代の同級生で自殺してしまった緒方の為に、不良グループや暴力団組織に復讐をする事でした。
不良グループの頭である松永の罠によって、緒方も瀬岡と同じく男娼にさせられたのです。
大切な存在であった緒方の死に胸を痛め、加奈子は復讐の鬼と化したのでした。
そして、緒方の無念を晴らす為に闇組織に近づき、ボスであるチョウと親しくなる事で組織と不良グループの壊滅を目論んでいたのです。
買春の証拠である写真やそのネガを手に入れ、闇組織を壊滅させる事で緒方の仇をとろうとしたといえます。
加奈子がなぜ瀬岡に近付いたのかというと、自分に好意を持っており、利用するのに好都合な人物だと捉えたからでしょう。
また、緒方のようになりたいと言った瀬岡に、あなたに緒方の何がわかる!という風に怒りを感じ、罠にはめたともとれます。
目的の為には手段を選ばず、利用できる人物は全て利用してしまうのが加奈子の恐ろしい一面です。
加奈子の素顔
加奈子は両親の愛情に飢えている女の子でした。
母親は愛人を作り、父親である藤島からは酒に酔った勢いで暴行を受けてしまいます。
加奈子の真の素顔はただ“愛されたい”というこの一言に尽きるでしょう。
なので、大切な存在であった緒方の死に誰もが知る由もないほど胸を痛めたのです。
そして愛情表現が曲がった形で“緒方の復讐”という風に顔を出してしまったといえます。
プチエンジェル事件
この作品の売春組織の元ネタとなったのは「プチエンジェル事件」と呼ばれる、過去日本で実際に起きた事件をモチーフにしています。
この事件は女子高生がスカウト役となり、女子小学生や女子中学生に売春をさせていたという何とも衝撃的な事件です。
手配師の男が自殺をした事でこの事件は幕引きとなりました。
しかしビデオテープや顧客リストなど証拠がたくさんあったにも関わらず、誰一人として逮捕されなかったのです。
その事から、顧客に政治家や警察関係者がいたのでは?手配師の男は本当に自殺なのか?他に黒幕がいたのでは?
などの事が囁かれており、非常に謎の多い事件となっています。
加奈子は生きている?
映画内では加奈子は中学時代の担任であった東に殺された事になっていますが、加奈子は本当に死んでいるのでしょうか?
瀬岡がホテルで会った加奈子が本物なら、加奈子にはもしかすると替え玉人物のような人間がいる事も考えられます。
本当に殺されたのか?生きているのか?そこが曖昧になっているところも、観客の心理を映画内に引き込ませるポイントとなっています。
まとめ
非常に衝撃的な内容の映画「渇き。」ですがあなたの目にはどう映りましたか?
豪華キャストで、皆どこか頭のネジが外れたように役者陣が演じている姿は、恐ろしい面もあり、またある意味人間らしい姿なのかもしれません。
難解なストーリーなので、時系列などを整理して何度も見返してみる事をお勧めします。