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「世界の中心で、愛をさけぶ」は片山恭一原作の同名小説を映画化したもので、2004年5月8日に公開されました。
主演は大沢たかおと柴崎コウで、行定勲監督がメガホンをとった、珠玉のラブストーリーです。
セカチュー現象なるものを巻き起こし、主題歌である平井堅の「瞳をとじて」も大ヒットを記録しました。
今回は、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」から朔太郎がテープを探しに行った理由、亜紀との過去が与えた律子への影響を徹底考察していきます!!
朔太郎がテープを探しに行った理由
「世界の中心で、愛をさけぶ」は高校時代の過去と、現在が行き来して繰り返される映画です。
映画の中で大人になった朔太郎はテープを探しに自分の故郷である四国へと向かいますが、その理由とは何だったのでしょう?
その真意を紐解いていきます。
婚約者である律子を探す為
突然失踪した律子をたまたま台風のニュースで見かけ、最初はただただ律子を探したい一心で地元に戻った朔太郎。
しかし、なぜ自分の故郷である四国なのか?
そんな事を思ううちに、朔太郎は“自分の過去の事を律子が何か気付いたのではないか?”と一つの疑問を抱きます。
その過去とは白血病で死んでしまった高校時代の恋人、亜紀の事です。
亜紀の事で律子が何か知ったのではないか?と思った朔太郎は最初は律子の身を案じて、四国へと向かいます。
それは運命に導かれるような旅の始まりだったのです。
テープに何かヒントがあるのではと思った
朔太郎がテープを探しに行った理由は、そこに律子がいなくなったヒントが隠されているかもしれないと思ったからです。
律子が亜紀の事を何か知っているのなら、テープに何かが隠されていると朔太郎の直感で動いた事といえます。
テープから流れてくる亜紀の優しい声。
最初は律子を探す為の行動でしたが、次第に朔太郎の気持ちは高校時代の実らなかった初恋と対峙していく事になります。
亜紀との思い出の旅
テープを聴くうちに、朔太郎の気持ちは懐かしい高校時代の思い出へとタイムスリップしていきます。
朔太郎はきっと無意識のうちに亜紀の面影をどこかに探していたのです。
最初は、律子の身を案じて行った行動が過去の自分探しへの旅へと変わっていきます。
朔太郎は姿は大人になっていても、心は亜紀を失くした高校時代のままで止まっているといえます。
だからこそ、亜紀の声を聴きたくてテープを探しに行ったのです。
亜紀の死とちゃんと向き合う為
朔太郎が“亜紀の死から逃げてきた”と重じいに吐露したように、朔太郎は亜紀の死と向き合えないまま大人になっていました。
それは律子にも同じ事がいえます。
律子にとって亜紀は、母親と同じ病院に入院していた優しいお姉さん的存在でした。