なのでかもめ食堂に来店した時は、本当の自分が分からなくなっている状態でした。

つまり落し物や失くしものをすることはマサコが自分を見失っている状態を表現していると解釈できます。

例えば森でマサコがキノコを拾いに行くシーンです。

そしてそのキノコの入った荷物もどこかに落としてしまい、失くしてしまいます。

この場面のマサコの心境は「新しい自分が見つかりそうだったけど、また見失ってしまった。」と解釈することができるでしょう。

そしてかもめ食堂での日々を過ごすうちに荷物が見つかったとの知らせが届きます。

その荷物の中に黄金のキノコを発見した時の心境は「新しい自分はフィンランドで見つけた」そんな表現に取ることができるのです。

このようにマサコにとってキノコや失くしもの、落し物探しは新しい自分を探すこととシンクロして行われている。

そんな風に解釈できるのです。

おにぎりを皆で囲んで食べるのは何故?

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かもめ食堂の開店前にそこでお店を開いていた男性マッティが食堂へ探し物を取りに不法侵入してきた場面。

マッティは前の店が潰れたことで様々なことが上手くいかず悲しみに浸っていました。

そんな中突如サチエは「お腹が空いた!」と言い おにぎりを作ります。

そこで何故おにぎりを作り始めたのでしょうか?

サチエにとってのおにぎりは励まし

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おにぎりは自分で作るより人に作ってもらった方がずっと美味しいとサチエは言っていました。

2回ほど父親から作ってもらったことがありそのおにぎりは不格好だったけど美味しかった…。

そんな風に思い出を語るその顔はとても幸せそうに見えます。

そんなエピソードがあることからサチエにとって人におにぎりを振る舞うことは人を元気づけると同義であるといえるでしょう。

きっと妻子と関係が上手くいっておらず孤独を感じているマッティに少しでも元気になってほしかったのかもしれません。

皆で囲んで食べて家族団らんのような温かさを

1人で食べるより仲間と食べるほうが食事は美味しく感じるという言葉はよく耳にします。

また皆で囲んで食べる風景は家族団らんを連想させほっこりとした気分に導く。

誰が言いだしたのでもなく自然とそういう形で食べ始めるのはサチエの作り出したかもめ食堂の雰囲気がそうさせたのでしょう。

 まとめ

【映画パンフレット】 『かもめ食堂』 監督:荻上直子.出演:小林聡美.片桐はいり.もたいまさこ

ただただゆったりとした映画と思いきやそこには隠されたメッセージが存在していたり非常に奥深い物語です。

人を前進させるヒントが見つかるかもめ食堂。

まるで「迷ったらとりあえずこの食堂へおいで」と言っているかのような実家のような安心感を持っています。

初対面の人、また少し変わった人でも関係なく迎える母性的なサチエにピッタリのお店なのではないでしょうか。

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