フラガールはまさに舞台裏がストーリーになっています。
これまで語られなかった裏事情や、フラガールたちの軌跡は観る者をハワイアンズにいきたい!と思わせるのではないでしょうか。
フラガールたちの強さ
踊らせてくんしゃい
みんなおどっぺ
引用:フラガール/配給:シネカノン
小百合は、父親が落盤事故に遭ったという知らせを聞いても踊ることを選択しました。
また紀美子は、ハワイアンの初日に師である先生の踊りをソロで踊り上げました。
この舞台の裏に、様々な困難があったことを観客は知りません。
苦しくても笑顔で踊るのよ
引用:フラガール/配給:シネカノン
観客は笑顔の彼女達を観に来ています。
舞台裏の苦しさを見せないこと、それこそが彼女たちの強さなのではないでしょうか。
母の強さ
紀美子の母、千代は炭鉱で働く事に誇りを持ち、炭鉱で死んだ夫にも誇りを持っていました。
しかし劇中では、娘の姿を観て自分の考えを変えています。
ここに、東北の女性の強さを感じた人もいるのではないでしょうか。
炭鉱で耐える強さ、娘を思う強さ、古い考えを捨てる強さです。
町の人々に裏切るのかと責められた時も、千代は謝っていません。
自分の考えが正しいと信じているからこそなのでしょう。
紀夫の強さ
岸部一徳演じる紀夫は、常磐炭鉱の元社長である中村豊がモデルになっています。
映画同様に、実際もハワイアンズ設立には強い反対があったようです。
たったひとりで批判に立ち向かい、フラガールたちを守った紀夫はヒーローと呼べる存在ではないでしょうか。
決して強引ではなく、決して独裁的でもなく真摯な紀夫の姿がハワイアンズの成功のカギだったのかもしれません。
「一山一家」の精神
本作は劇中に「一山一家」という言葉が登場します。
炭鉱の町から生まれたフラガールたちは、まさに一山一家の精神で成功をもぎ取っていくのです。
実際に3.11の震災後もフラガールの退職者は一人も出ず、東北復興の象徴として巡業の旅をしていました。
炭鉱の強い絆やまどか先生との絆、家族の絆など本作には様々な「愛」が描かれています。