『絶海の探偵』の謎のもう1つ、工作員の首についていた塗料の正体についても気になるところです。
ここではこの塗料についても、明らかにしてまいります。
コナン達がイージス艦で人間の左腕を発見した後、陸の造船所では正体不明の遺体が発見されました。
引用元:名探偵コナン 絶海の探偵/配給会社:東宝
ここで着目すべきはその遺体の首にあった謎の赤い塗料です。
塗料の正体は
塗料は船のものだったが…
遺体の首についていた赤い塗料は、船のものである事が判明しますが、遺体の人間=笠浦が乗っていたはずのイージス艦の塗料ではなかったのです。
乗っていたイージス艦のものであればそこまで事件性を感じなかったでしょうが、船が違うとなれば話は別です。
遺体発見現場が、死亡現場ではないということは明らかに何らかの事件に巻き込まれたと考えられるからです。
塗料は観光船のものだった
その後の調べで、笠浦の首についていたのは、遺体が発見された造船所近くを通るとある観光船の塗料である事が判明しました。
引用元:名探偵コナン 絶海の探偵/配給会社:東宝
遺体に付着した塗料がイージス艦のものでなく、観光船のものである事が判明したということはどういうことでしょうか。
笠浦がイージス艦に乗っていなかった事、造船所近くの場所から海に転落したという結論が導き出されます。
さらに劇中では、この笠浦がイージス艦の情報を外部に漏らそうとしていたことも明らかになりました。
そしてこの事件の真相き気づいた蘭が後に大きな事件へと巻き込まれていくことになってしまったのです。
頬に光ったものは何?
蘭が行方不明に!
事件が解決したと安心したのもつかの間、蘭がイージス艦に潜入していた某国の工作員と格闘の末、海に転落してしまった事が発覚。
引用元:名探偵コナン 絶海の探偵/配給会社:東宝
正義感の強い蘭のことですから、事件の真相に迫り、犯人へと近づきすぎてしまったのでしょう。
コナン達は時間が経ってからそのことに気が付いたため、蘭の行方が分からず途方に暮れます。
不安に襲われたコナンはこれまでにないくらい取り乱したことでしょう。
この広い海原で蘭がたった1人、暗い海のどこかへ消えてしまったのですから。
「絶対泣かないコナン」が泣いた?
「蘭ひとり見つけられないで何が名探偵だ」
引用元:名探偵コナン 絶海の探偵/配給会社:東宝
うつむくコナンの頬を、一筋の雫が流れます。
シーンの状況からも、涙に見えるこの雫。コナンが蘭を助けられない自分に失望した瞬間だったことが分かります。
誰もが蘭のためにコナンが泣いたのだと思ったことでしょう。
しかし、ここで疑問が生まれます。
というのも、過去には原作者の青山剛昌氏が「コナンは絶対に泣かない」と宣言していたのです。
その理由は、作中でコナンの事を最も格上の推理力と精神力がある人物として描いているから。
いわば「小林少年」ではなく、「明智小五郎」だからでした。
つまり、感情のままに泣くシーンを作ってしまうと、「江戸川コナン」というキャラクター観を根底から覆してしまいかねないのです。
実際マンガでもアニメでも、コナンが泣いた事はこれまで一度もありませんでした。
「涙」ではなく「汗」だった
結論をいうと、この時コナンの頬を流れたのは実は涙ではなく、汗でした。
そしてコナンが流したのが涙ではなかった事で、このシーンはコナンというキャラクターを表現する、とても大事な場面となっている事が分かるのです。
というのも、もしここでコナンが泣いてしまえば、どうなるでしょう?