引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B077DQ3D6B/?tag=cinema-notes-22
2016年に韓国で公開され、観客動員数は1,156万人を突破した大人気韓国映画です。
日本でも翌年に公開され人気を博しました。
感染が国中に広がり、壊滅的になるシリアスなストーリーが展開されるのかと思いきや、この映画は少しコミカルな匂いがします。
それは感染者がゾンビのようであるからでしょう。
加えて、女性の強さや母性が描かれているところが見どころです。
最後に彼女たちはどうなったのか、しっかり解読していきましょう。
ゾンビ映画
感染症がストーリーの中心かと思いきや、この映画は感染者が次々にゾンビ化するゾンビ映画です。
ゾンビが人に襲いかかり感染を広げていくので、社会基盤が崩壊していく怖い話でもあります。
けれど、鳥インフルエンザ、SARS、コロナウィルスなどの感染病と離れて、ホラー映画を楽しむように見ることができるでしょう。
しかし別の意味でシリアスに、人間の恐ろしさに触れられている映画にもなっていると思います。
もしかしたら、知らず知らず自分もゾンビのようになっているのかもしれません。
この映画で伝えたかったゾンビとは、ウィルスの感染ではなく思考停止した人間について警告を鳴らしているように感じます。
ファンドマネージャという仕事
ソグはファンドマネージャとして、多忙で家庭を省みずに働いてきた結果、妻は彼の元を去っていきました。
他人には無関心で感情が動かない人間として描かれています。
娘ソアンを引き取っていはいますが、時間が取れずに良い関係が保てていません。
おまけにソアンは父親がファンドマネージャーということで、友達の間でも肩身が狭い思いをしているようです。
日本では、ファンドマネージャーという仕事は取り立てて悪いイメージは持たれていませんが、韓国では様子が違っています。
IMFが介入した後の社会
1997年に韓国が経済危機に陥ったときにIMFの介入が入ってから、財閥系の会社が生き残り、韓国社会は格差が広がりました。
これにより、貧しい人たちは富める人たちのやり方に、嫉妬や反発を感じやすくなってきています。
ファンドというと、業績だけを見て、出資を出したり引き揚げたりするため、情を介さず人でなしだと捉えられているのでしょう。
このゾンビウィルスを広めた会社に出資したのが、ソグのファンドだったとわかりました。
これは、ファンドのやり方に対するヨン・サンホ監督の抗議ではないでしょうか。