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映画「LIFE!」は2013年にアメリカで作られ、日本では2014年に公開された、叙事詩的コメディドラマファンタジー映画です。
この映画は不思議な雰囲気を持っています。監督と主演がベン・スティラーの一人二役であるというのもその原因でしょうか。
ジェームズ・サーバーによる原作の短編小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」はあまりに短く、主人公の職業すら明確になっていません。
そのため、この映画は制作者による独自の解釈がなされ、原作を読んでいてもわかりにくい部分があります。
そこで今回はこの映画の最大の謎、なぜ主人公はフィルムを見ようとしなかったのか。という点を中心に映画の核心に迫ってみたいと思います。
主人公がネガを見なかったのはなぜ?
1947年に公開された『虹を掴む男』のリメイクとして発表された「LIFE!」。
主人公ウォルターによる妄想時の派手な演出と、後半の美しい自然の描写が人気の映画です。
主人公が失われたネガフィルムを見つけるために奔走するというストーリーの本作ですが、この映画にはラストに大きな謎が残されています。
それは、なぜウォルターは見つけ出したネガを見ることなく上司に提出したのかという点。
普通であれば、苦労して見つけたネガをまずは自分が真っ先に見たいはずです。しかし、彼はそうしませんでした。
映画をよく見るとウォルターの気持ちがわかる
ウォルターが財布から写真を見つけたシーンから、すぐに会社の会議室のシーンへ移り、上司のテッドにネガが渡されます。
これだけだと、途中でネガを見ている可能性がありますが、その直後のエレベーターのシーンで部下に写真を見ていないことを告げています。
しかし、ウォルターはその理由を話しません。部下と笑いあうだけ。では、なぜ彼は写真を見なかったのでしょうか。
単純に考えれば、ラストでウォルターがLIFEの最終号に自分の写真が使われているのを発見するサプライズの準備。
つまり映画上の演出と考えられます。
ですが、映画をよく見ているとそれだけではない理由が見えてくるのです。
自分には見る資格が無いと思った
まず一番に考えられるのが「自分には写真を見る資格が無いと思ったから」という理由です。
ウォルターはせっかくショーンがプレゼントしてくれた財布をゴミ箱に捨ててしまいました。
彼が見つからない苛立ちやシェリルが元夫とよりを戻したと勘違いしたショックがあったとはいえ、かなりひどい行為です。
それをウォルターの口から聞いたショーンは次のように非常に悲しみ、ショックを受けています。
傷ついた
残念だ