一日でも早く祖父が死ねば、彼女の取り分は多いままです。そのため祖父が自然に死ぬのを待たずに殺したと考えられます。
裏家業の隠蔽
祖父の悪行の証拠となる回顧録を燃やしたソフィア。
これは祖父並びに一族の汚点として隠蔽したのではなく、自分のためだったと推測できます。遺産は裏家業で得た金でした。
祖父の遺産の大半を受け継ぐのがソフィアからしたら、クリアなお金としてもらいたいはずです。
後でスキャンダルになったり、没収される危険性をゼロにしておくための行動だったと思われます。
ジョセフィンは邪魔
いくら子どもとはいえ、家中をコソコソ嗅ぎ回って邪魔な存在だったことは間違いないでしょう。思いがけないところで犯人の目星をつけないとも限りません。
厄介な芽は早く摘んでおくのが得策。そう思ったからこそジョセフィンはしつこく狙われたのでしょう。
イーディスを操る
イーディスはイオニデス一族でも力を持った存在でした。
祖父亡き後、イーディスに家を仕切られるのは御免だとソフィアは思ったのではないでしょうか。
遺産相続する自分が一番偉い立場であるはずという思いがあったに違いありません。
そこでソフィアはイーディアスにジョセフィンを殺させるシナリオを立てたのです。
入院中に日記を盗み、イーディアスの目につく所に置いておいたのはソフィアだったのではないでしょうか。
何度狙っても悪運強く生き延びるジョセフィン。
日記をイーディアスに読ませれば、将来を悲観して殺してくれるだろうという算段だったと考えられます。
役立たずの探偵には訳がある
結局チャールズは一切推理せず、犯人が死んだことで事件解決の形になりました。
ソフィアとしては依頼した甲斐がないと思うはずです。でもそれはソフィア本人の考えとは異なるかもしれません。
仮にソフィアが真犯人だったら、彼をミスリードするのは得策です。
普通は「探偵は犯人を見つけ出すプロだ」と思っていますから、彼を信用するでしょう。彼が間違った推理をしても聞き入れるはずです。
ソフィアはそんな思い込みを巧みに利用したと思われます。
チャールズは役立たずの探偵ですが、ソフィアにとっては役に立つ存在だったことでしょう。
そう考えるとソフィアが一番「ねじれた心の持ち主」だといえそうです。
最後のソフィアの涙は何を意味していたのか。それは彼女にしか分からないのでしょう。