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「セレンディピティ」はピーター・チェルソム監督の2001年の作品。
「マイ・フレンド・メモリー」や「Shall We Dance?」などで良く知られる監督です。
ヒロインを演じるケイト・ベッキンセールは同じく2001年公開の「パールハーバー」にも出演しています。
この後トップスターとなっていくので2001年は彼女の出世作の年といって良いでしょう。
ヒロインの相手役をつとめるのはジョン・キューザック。
ジョン・グリシャム原作のリーガル・サスペンス「陪審評決」などの出演でも知られています。
ニューヨーク、クリスマスの買い客で賑わうブルーミングデールズで出会ったジョナサンとサラ。
2人にとってその出会いは運命的で忘れられないものでした。
セレンディピティという幸せな偶然をお互いに感じた2人。数年後、なぜ2人は運命の再開を果たせたのでしょうか。
そして、なぜ結婚寸前までお互いを探さなかったのか、その理由について考察していきます。
運命的な出会い
5ドル紙幣と古本に託された想い
出会った当初からお互いに惹かれ合った2人ですが、ジョナサンと違ってサラには躊躇する気持ちがあります。
ジョナサンがとても惹かれる相手なのは事実だけれど、今はその時ではないと思っている。
サラはその想いを5ドル紙幣と持っていた古本に託します。
もしも、運命に導かれるなら5ドル紙幣と古本は2人の手元に戻って来るはず。
それはどれほどの確率なのでしょうか。おそらく奇跡に近い確率です。
カシミアの黒手袋
ジョナサンとサラの出会いのきっかけとなったカシミアの黒手袋。
サラは、手袋をなぜ片方ジョナサンに渡したのでしょうか。
もしもエレベーターが同じ階に止まらなかったとしたら手袋は片方だけになってしまう。
サラは、ものごとは運命のサインが導いてくれるものだという運命論者です。
それは5ドル紙幣と古本に2人の運命を託した事にも表れています。
カシミアの黒手袋も、それが自分のものになる運命なら手に入ると考えています。
今、2人が一緒になる運命ならばエレベーターは同じ階で止まるはずだと思っているのです。
そういう想いでサラはジョナサンに手袋を渡します。
運命の相手ならまた会える
結婚前のこのタイミングで次々に重なる偶然、なぜ今になってこんな偶然がおこるのだろう?
サラもジョナサンもそう感じていたはずです。
一度だけ会ったあの日、お互い惹かれ合いながらも別れて時は過ぎてしまった。
あれから数年後、2人ともがお互いの恋人と結婚間近という状況です。
普通に考えれば結婚前といえば人生においても一番幸せな時のはず。
けれども、サラにもジョナサンにもあの日一度会っただけの相手を思い出させる出来ごとが次々とおこります。