ここでも、カティアが引き合いに出されます。
せつないカティアの愛
ひとときの出会いでいずれは別れる結末がくるとわかっていても、ルーカスを愛してしまうカティア。
ルーカスに危険なにおいを感じていても離れられなくなりました。
情事の最中に妻の名前を呼べと懇願するカティア
ルーカスの気持ちをはかりかねていたカティアは、自分を妻と思って抱いてくれとせがみます。
情事の最中に相手の妻の名前を聞くのは屈辱的な思いをするだけなのに、あえて要求するカティア。
ルーカスは、名前を叫びながら妻のことを、本当に思い出してしまったのかもしれません。
不毛の愛とわかっていながら、形だけでもルーカスを手に入れたかったカティアの悲しい心情がうかがえます。
ルーカスはこの後、本当の自分の愛に気が付くことになるのです。
宝石取引の交渉の場に現れたカティア
取引に向かうルーカスの身を案じたカティアは、女連れだと命までは狙われないと考えたのでしょうか。
どんな形でもルーカスの役に立ちたいと思い、危険を覚悟でルーカスの取引現場に向かいます。
結果的に屈辱的な経験を強いられ心に大きな傷を作ることになったカティア。
ルーカスも命拾いをしますが、皮肉にもこの屈辱的な行為がルーカスの愛に火をつけることになりました。
ルーカスは本当の愛に目覚めた
妻との冷めた夫婦生活を送るルーカスは、つねにやりきれない寂しさを感じていたのでしょう
旅先で不倫に走るルーカス
夫婦生活に不満を持っていたルーカスは、旅先の女と不倫を繰り返していたようです。
ホテルフロントのライサとも懇意の仲のようでした。以前は体の関係にあったのでしょう。
ひとときの欲望のはけ口を求めて空虚な情事を繰り返していたルーカスは、カティアとの関係も同じように考えていました。
本物のブルー・ダイヤモンドをさがすルーカスの姿は、見方を変えれば本物の愛をさがす様(さま)と同じなのかもしれません。
愛していることを自覚したとき
カティアが交渉先に現れ、ヴォルコフから屈辱的な行為を強要されるのを目の当たりにしたルーカス。
カティアをただの不倫相手と考えていましたが、身を投げ出して助けようとする姿勢に見方が変わりました。
ルーカスはカティアを本心から愛おしく思い始めたのです。
ロシア連邦保安庁が彼らを包囲したのはその直後でした。
冷めた夫婦の関係
妻ギャビーとの関係について考えてみました。ルーカスとの夫婦関係はお互い空気のような存在だったのでしょう。
ギャビーはビジネスウーマンとして成功を収めているようでした。
長年連れ添った夫婦の空気感
自立しているギャビーは、生活力もあり人間としても完成された美人です。
宝石にしか興味のないルーカスに対しても不満を感じずに接していました。
ギャビーはルーカスの不倫にも気が付いていましが、最後は自分のところに帰ってくるという自信があったのでしょう。
他人の目には、気持ちがわかり合っている良い夫婦関係に見えても、ルーカスには刺激が足りなかったようです。
あの電話が通じていれば
空港でルーカスが電話をかけた時、ギャビーの声が聞けたとしたらルーカスはどういう行動を取ったでしょうか。
肉声を聞くと、われに返ることがあります。