最初のラップバトルで本領発揮出来なかったのも潜在意識にラップに対する先入観がすり込まれていたからです。

つまるところ、ジミーが最終的に戦っているのはそうした腐りかけている自分自身の心ではないでしょうか。

自叙伝を演じた影響

自叙伝

様々な壁を乗り越えて一流のラッパーとして大成したエミネムが世界に与えた影響は計り知れません。

ここでは内外を含んだ様々な影響について徹底考察していきましょう。

ラップバトルというジャンルの認知

ラップバトル

まず「音楽」というジャンルで見るならば、やはりラップバトルという存在の認知が挙げられます。

地下室で相手と向かい合い罵詈雑言にも近いラップで相手を叩き潰すという激しい喧嘩スタイルが斬新でした。

ダンスでいうところのブレイクダンスバトルに近く、喧嘩の代わりにラップで相手を潰すロック精神が似ています。

ラップというとどうしてもその早口でやや無骨な印象が目立ちますが、その源流がこうした喧嘩スタイルにあったこと。

このスタイルを映画を通して大々的に世界中に認知させることが出来たのは凄く大きな影響ではないでしょうか。

そしてまたラップバトルというジャンルが認知されたことで、ラップバトルもまた現実の文化となりました。

今現在活躍している若手ラッパーの多くがラップにはまったきっかけに本作を挙げています。

社会問題の本質が浮き彫りとなる

社会と絡めた場合上記の逆差別がそうであるように、経済格差や人種差別の影響が白人にもあったことを知らしめました。

今世界は米国やロシアなど白人が中心となって世界を動かし、あたかも人類のヒエラルキーの頂点にいるかのようです。

しかし、それらはあくまでも世間やマスメディアが勝手に作り出した虚像、偶像に過ぎません。

黒人の文化においてはたとえ白人であろうと差別されますし、逆もまたしかりで実際にはその組織や社会毎で決まります。

そういうちょっと考えれば分かる筈の当たり前の事実を「8Mile」は非常に上手く認知させました。

ラップというジャンルの本質

HOW TO RAP 104人のラッパーが教えるラップの神髄 (P-Vine Books)

そして何よりラップというジャンルの本質が「社会への批判・挑戦」にあることが本作より認知されました。

音楽というジャンル自体は人々にとって心の癒やしにもなりますが、同時に毒にもなりうるものです。

ラップとはそうした「毒」を社会への批判という形でエネルギーにしてぶつけカタルシスとします。

それがエミネムのように悲惨な幼少期を過ごした者だけでなく社会に鬱憤が溜まっている人の共感を呼ぶのです。

そうした社会問題への挑戦という斜に構えながらも根が純粋なロック精神を本作は明らかにしてくれました。

白人ラッパーの復権

そして何よりも本作が一番与えた影響はエミネムの存在自体が「白人ラッパー」を復権させたことです。

勿論エミネム以前にもビースティ・ボーイズやサード・ベースなど白人ラッパーは存在しました。

しかし、90年代で一度その白人ラッパーは失墜し、ラップは黒人の文化になります。

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