それでも気を引こうとするビリーが健気です。
アメリカ社会の現実
アメリカは日本より親子の関係が親密なように見えます。
親子でハグするのも日常茶飯事ですから、アメリカから見たら日本の親は子供への愛情に乏しいと思うかもしれません。
しかしそんなアメリカでも、子供に虐待する親や無関心な親はいます。
ビリーの両親はこのような親を象徴し、警鐘を鳴らす役割を果たしているとも考えられるのです。
レイラに救われる
ビリーとは歳の離れたレイラですが、どうしようもないビリーを優しく包み込むような存在。
彼女は最初こそビリーのことを嫌がりましたが、すぐに受け入れて妻の役をしてくれます。
ビリーにとってレイラはどのような存在だったのでしょうか。
レイラは母親の代わり
ビリーの実母は、彼が産まれたせいでフットボールの試合が観られなかったと愚痴を言います。
そんなビリーを初めて受け入れくれたレイラ。彼女の方がビリーの母親に相応しい存在ではないでしょうか。
スコット殺害の歯止め
子供が親に受け入れられた時、子供は承認欲求を満たされて、自信がつきます。
レイラがビリーの母親の役割を果たしてくれたおかげで前向きになり、スコット殺害の際にビリーに歯止めをかけてくれたのだと考えられます。
ですからレイラは彼に愛を教えただけでなく、命も救ったのです。
グーンに電話をかけた真意
ビリーは自分が死んだら、ロッカーに入っている全てをグーンに渡すつもりでいました。グーン以外に友達がいなかったのです。
そんなグーンに、スコット殺害計画前と後に電話をかけました。そこにはビリーの真意が隠されているようです。
ビリーの孤独
ビリーの宝物はボーリング場のロッカーに入れてありました。なぜ自宅ではなくボーリング場なのでしょうか。
ビリーのボーリングの腕前はプロ並みでした。相当通いつめていたはずです。
ボーリングはチーム競技ではないので、一人で来てずっと球を投げていたのだろうと推測できます。
それほど彼は一人の時間があったのです。孤独だったのでしょう。
唯一の友達
一度目の電話は自殺する覚悟をしていたビリー。宝を渡してやると言いましたが、それがビリーなりの遺言なのでしょう。
誰かに何かの形で自分の死を知って欲しかったのだと思われます。
ですがスコット殺害を思いとどまると、嬉しそうにグリーンに彼女の話をします。まるで別人のようなビリー。
彼はグーンととの電話で自分の気持ちを整理していたのだと思われます。
もしかしたらグーンに話しいるようにみせて、実のところは自分との対話をしていたのかもしれません。
スコットを見て気付いた感情
ビリーは刑務所の中にいる時からスコット殺害を計画していたのでしょう。
スコットを殺害した後は自分も死のうと思っていたのですから、相当な憎悪です。
そんなスコットを目の前にして、ビリーにある感情が湧き上がりました。それは一体どのような感情だったのでしょうか。
スコット殺害は二の次
スコットが八百長したことでビリーが5年間刑務所暮らし。