ベンが大穴だったと博士が話していたように、やはり賭け事をすることが目的だったと思われます。
極限状態に追い込まれた人間がどんな残酷な行動に出るのかをエンターテインメントとして観賞し、そしてお金を賭ける。
救いようもないゲームがただ行われていただけなのです。
本当に運だけ?
参加者はみな事故や戦争に巻き込まれて、不運の中唯一生き残った者たちだと思われていました。
しかしゲームが進むにつれ、本当に運で生存できたの?という疑問が湧き上がる場面も。共通点だと思っていた“生存者”の定義が揺らぎます。
ジェイソンの本性
毒ガスが蔓延する部屋を脱出する際、ジェイソンがマイクを犠牲にして生き延びたことにより、ジェイソンへ疑惑の目が向けられました。
これまで先陣切って進んできたジェイソンは自分の事しか考えず、我れ先に生きてゴールにたどり着くことしか頭にないように見えます。
それは命懸けの脱出ですから、仕方のないことかもしれません。しかし仲間のために犠牲を払ったメンバーもいるのです。
ゲームの結果、2名が生き残れたわけですから、“1名しか生き残れない”という考えをせずにみんなで脱出することも可能だったはず。
そう考えるとジェイソンのした事はただの人殺しにすぎないのではないでしょうか。
本当に怖いのは
生き残るため、そして賞金1億円のために、参加者のほとんどが死んでいきました。
主催者のトラップに引っかかって死んでしまった者もいれば、仲間に殺された者もいたのです。
つまり目に見える敵は主催者だけど、それだけじゃないということ。
本当に怖いのは、仲間だと思っていた参加メンバーであり、人間の本性だったということではないでしょうか。
助け合い
このゲームの生存者はベンとゾーイでした。ベンが博士に殺されかけたところをゾーイが助けたため、賞金は山分けになってしまいます。
もしジェイソンがゾーイの代わりに生存者だったら、ベンを助けずに賞金を独り占めしていたでしょう。
ゾーイは賞金よりも人命を尊重する人間であり、観ている私たちが求める生存者の姿なのではないでしょうか。
脱出ゲームの攻略法
エスケープ・ルームから脱出するためには、主催者が提示してきたルールに従う必要があります。
普通に考えればルールに従うしか方法が無いと思うはずです。しかし実際はそれ以外にも手段がありました。
社会のルールと同じ
ベンはルールに従い、正攻法で勝ち抜いた人物。一方ゾーイは主催者の裏をかいて生存者となりました。
結果だけ見れば、ベンもゾーイも生存者なのですが、ゴールまでの過程に違いが出ているのです。学校や会社でもこの現象はよく見受けられます。
会社から言われた通りに行動し、結果を出す人と自分の考えをもとに行動し、結果を出す人です。
社会で起こっていることが、この脱出ゲームに反映されているとみていいでしょう。
実は社会の縮図だった
もうお分かりの人もいると思いますが、この脱出ゲームは社会の縮図だと解釈できます。