この曲は三人が家族として暮らすようになった後にもう一度歌われます。今度はルディ自身の声で。

女装しなくなったことも合わせて、ルディが本来の自分になったことのメタファーといえるでしょう。

ホームビデオ映像と重ねて、「愛してる」と繰り返す歌声はとても優しく、元の曲調から一転、スローなバラードに。

家族という本当に愛するものを得たことによる変化です。

『Love Don’t Live Here Anymore』 失われた愛

しかし、時代はそれを許しませんでした。マルコを失ったルディが歌うのは『Love Don’t Live Here Anymore』。

「もう愛はここにはない」

引用:チョコレートドーナツ/配給会社:ビターズ・エンド

ルディとポールは、これまでも彼らなりに必死に生きてきたことが描かれていました。それがマルコを守る過程で、様々なものを失います。

ゲイカップルだから、愛することを許されないのでしょうか。何とか確立していたアイデンティティが、激しく揺さぶられたはずです。

ただ愛する人と一緒にいたい。これは普遍的な願いで、特別なものではありません。

ここには愛することすら許されない、悲痛な想いが込められています

『I Shall Be Released』 約束と追悼


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物語は、マルコが三日間街をさまよった挙句、死亡するという非常にショッキングな終わり方を迎えます。

『I shall be Released』。先に述べたように、これは自由を求める歌です。

「約束する 信じてほしい 愛する人よ 私たちは必ず解き放たれる」

引用:チョコレートドーナツ/配給会社:ビターズ・エンド

「約束する」とは、誰に対してだったのでしょうか。

夜の街を孤独に歩き、暗いところへ消えていくマルコ。その魂への追悼。

あるいは、彼らと同じように暗い中でもがき、戦う人たちへのメッセージともみることができます。

1970年代は、今よりもずっと厳しい時代だったでしょう。

そこから発せられるメッセージに、観客は「では、現代それより良くなっているだろうか?」と考えざるを得ないはずです。

答えのない問いかけと共に、映画は幕を下ろします。

マルコにとっての家


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終盤、母親の家に戻されたマルコは、何度も言います。

うちじゃない

引用:チョコレートドーナツ/配給会社:ビターズ・エンド

彼にとっての家とは、温かく愛のある場所でした。そこでは、欲しいと言えば、親がドーナツ=愛を与えてくれます。

子供が愛を求めることもまた、当たり前のことなのです。

そうしてマルコは暗い街の中へ。

三日間、助ける人はいなかったのでしょうか。ダウン症でなかったら死なずに済んだのでしょうか。愛を求めてはいけなかったのでしょうか。

ここにも答えはありません。ですが、目を背けてはいけない問いかけです。

ロニーが弁護を承諾した理由


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