ジェリーが独り身で、しかも趣味としてその仕事をするのなら誰も反対しないでしょう。
しかし彼は夫であり父です。家族を養わないわけにはいきません。
自分の立場を考えず、興味本位で山火事の仕事をするジェリーをジャネットが見限るのも理解できます。
フラストレーション
ジェリーはもともと働くことに向いていないのかもしれません。
ブリンソン一家がモンタナ州に引っ越して来たという描写があったことからも、父の仕事が変わるたびに住む場所を変えていた可能性もあります。
そう考えると、父の仕事は毎回長続きせず、職を転々としていたと思われます。
そして今回も興味もない仕事を家族のために我慢して続けているのが嫌になったのではないでしょうか。
山火事の仕事は職業としては安定しません。ですがその不安定さが、刺激を求める父の心を引きつけたと考えられます。
非日常を味わえる仕事として、山火事の仕事は都合が良く、フラストレーションも発散できたのでしょう。
母が浮気した理由
夫が金にもならない危険な仕事をしに家を出て行った直後、母の様子が激変しました。
厚化粧で露出度の高い服装。ジョーの知らない母の顔がそこにはあったのです。
そして決定的だったのが母の浮気でした。なぜ彼女はそんな愚かな行動をとったのでしょうか。
生活費を稼ぐため
1番現実的な浮気理由は、夫が居なくなったブリンソン家の生活費を稼ぐためだと考えられます。
専業主婦としてジェリーの稼ぎだけで賄っていたはずですから、彼がいなくなった今、収入がゼロになるのは困るでしょう。
自分ひとりなら、適当な職を見つけて働くことは悪くないと思いますが、まだ学生のジョーがいます。
育ち盛りの息子と自分の生活を守るためには、もっと多くのお金が必要だったのでしょう。
金持ちの男性なら多分誰でも良かったはずです。
ジャネットの持つ二面性
ミラーと交際を始めたジャネットは息子にも女の顔を隠しませんでした。
昔はよく派手な格好をしていたとも漏らしていましたから、もともと彼女は地味なタイプではなかったのでしょう。
仕事を転々とし、裕福な暮らしができないから質素にしていただけなのかもしれません。
そうであれば、ミラーとの浮気が彼女を変えたのではなく、隠していたもう1つの顔が表に出てきただけといえます。
お金の心配をせずに生きたいという欲求が、夫という抑制が無くなったことで爆発したにすぎないと考えられるでしょう。
夫婦の役割
夫婦であれば、夫は家族のために働き、妻は家庭を守るという固定概念がいまだに存在します。
この概念はブリンソン家にも当然のようにあったようです。
しかしこの家ではこの考えがうまく機能せず、家庭崩壊に繋がったのではないでしょうか。
夫の役割を果たさないジェリー
先程も言及した通り、夫は家族のために働き、生活費を稼ぐことに存在意義があると考えられていたようです。
これに当てはめると、ジェリーは夫としての役割を果たしていないように見受けられます。