出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B007HESZ7C//cinema-notes-22
2010年に公開された「タッカーとデイル史上最悪にツイてないヤツら」は残酷描写とコメディ要素が混ざり合う映画です。
人気のない田舎に過去に事件のあった曰くつきのキャンプ場。
怖そうな見た目の男たちにノリの軽い大学生グループといったホラー映画定番のシチュエーション。
どこかで見たホラー映画のパロディであると同時に、内気な主人公がヒロインと結ばれていく恋愛映画でもあります。
評論家からも高い評価を会得し、様々な賞を受賞した本作。
勘違いから死人が続出するのにどこか笑える映画です。
二人を取り巻く様々な誤解の中でなぜ恋が進展したのか。敵役であるチャドが抱える「本当の怒り」と合わせて考察します。
劣等感を抱えた主人公・デイル
デイルがアリソンと結ばれるには彼の持つ魅力が関係しています。それは何でしょうか。
強い劣等感
主人公・デイルは自分に異強い劣等感を抱えています。
自己肯定感が低く自分を卑下する言葉ばかりを口に出し、その度に親友のタッカーにたしなめられるデイル。
よくあるスプラッター殺人鬼のような見た目。
便所工事業という自分の職業にも自信が持てません。
何でも待つばかりで自分の力で道を切り開く勇気をデイルは持ち合わせていませんでした。
ヒロインのアリソンに対しても自分とは違う世界の人間と思っています。
デイルの魅力的な一面
自分に自信を持てないデイルですが、気の合う親友に恵まれ、気が優しく力持ちという素晴らしい面があります。
そしてデイルが持つ彼だけの才能「抜群の記憶力」。
最後にデイルを助けたこの力を含めて、デイルは多くの魅力を持っています。
また、友人思いであることもデイルの魅力。
チャドと対比になっています。
ヒロイン・アリソンとの恋にはこんなデイルの魅力が力を発揮しました。
迷いを持つヒロイン・アリソン
デイルと心を通わせるアリソン。デイルと対照的なアリソンは何故それができたのでしょうか。
デイルに通じるアリソンの悩み
休暇でキャンプ場を訪れたことから運命が変わります。
大学で学び、一見何不自由ないように見えるアリソンにはデイルに通じる悩みがあります。
両親に反対され、自分がセラピストになるという夢への迷い。
周囲の仲間が遊ぶこと一辺倒の中で、アリソンが問題を持っていることが描かれます。
アリソンもまたデイルと同じく自分自身への劣等感から人生を切り開く勇気を持てていません。
デイルと通じ合う部分です。