出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07QF58RTC/?tag=cinema-notes-22
「ソウル・キッチン」はドイツの世界的貿易港として発展したハンブルクが舞台で、世界遺産にもなったレンガ造りの倉庫街が有名です。
ソウル・キッチンのソウルは韓国のSEOULではなく、魂の「SOUL」です。
一瞬、韓国料理の映画なの?と勘違いしそうですが「魂」の集まる、魂のこもったレストランのオーナーが繰り広げるコメディー映画です。
監督は2004年に「愛より強く」で、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞など、世界三大映画祭を制覇したファティ・アキン
出演者: アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ
「ソウル・キッチン」はヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞とヤング・シネマ賞を受賞
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ソウル・キッチン
ファティ・アキン自身がハンブルクの出身で父親が工場労働者で母親が教師だったことが、ストーリーに出てくるキャストとリンクします。
アキン監督と主演のアダム・ボウスドウコスとは幼なじみで、実際にアダムが経営しているギリシャ料理店によく集まって過ごしました。
アダムが「あの場所は、オレたちの家だった」と言ったことがヒントとなって、本作品は誕生しました。
ハンブルク独特の「魂」
本作品のテーマは「SOUL=魂」です。魂がテーマ…と、いうとなんとなく堅苦しくなりそうなところを音楽とコメディーで演出しています。
さて、国際商業都市として繁栄したハンブルクのレンガ倉庫街は、工業化や合理主義化への反動という側面を持っています。
この街そのものが伝統でありハンブルクの人達のアイデンティティ、すなわち魂の象徴なのです。
ドイツの心髄「ハイマートフィルム」
1950年代のドイツではハイマートフィルムと呼ばれる「郷土映画」が多く撮られています。
第二次世界大戦のナチス・ドイツにより郷土愛を利用され歪められてしまったことで、本来の郷土愛を見つめ直す意義で作られました。
ハンブルクへの郷土愛
映画には多民族系の市民が登場しますが、実際に貿易が盛んな町ハンブルクにはギリシャ系、トルコ系、アラブ系の人が多く街を営んでいます。
そんなハンブルクへの郷土愛を、レストランに訪れる人々の生活や交流を通して表現したかったのです。
ジノスの「ソウル・キッチン」
ジノスの恋人ナディーンが特派員として上海へ旅立つ前夜にナディーンの親族を呼び、自分の店で壮行会を開きたかったのでしょう。
食洗器の故障のせいで食器が破損し、リッチなフレンチレストランに変わったのです。
ナディーンは見るからに良家のお嬢さんですから、ジノスにとって自分の店はナディーンの家族に認めさせるためのものだったのでしょう。