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工藤阿須加演じる青山隆が勤めるブラック企業で、福士蒼汰演じるヤマモトと出会い人生が変わる『ちょっと今から仕事やめてくる』。
最終的に青山はブラック企業を辞め、バヌアツにいるヤマモトのところへと向かいました。
青山がブラック企業を辞めるに至るまで、どのような心境の変化があったのでしょうか。
さらに映画の終盤にならないと見えないヤマモトの正体のため、ヤマモトが青山に接触する目的は何なのか分かりません。
そんなヤマモトは、バヌアツの子どもの写真を通して、青山に対しバヌアツ行きを誘います。
一体バヌアツには何があり、なぜ青山を誘うのでしょうか。
実はこのラストは、北川恵海が書いた原作とは違ったラストシーンになっています。
今回は「青山が会社をやめる真意」「ヤマモトが青山に近づく目的」「バヌアツへ誘う真相」を考察します。
ヤマモトに教わったこと
青山が会社を辞める決断を下すにあたって、ヤマモトの存在は最も大きな存在でしょう。
そのヤマモトから青山が学ぶ「人生を楽しむ」ということが、青山が会社を辞める判断をする上で一番の助けをしています。
飲み会、カート、フットサル…etc
カートで遊んだり、居酒屋で飲んだりするなかで、青山は自然と本来の自分を取り戻していきます。
ヤマモトは青山が笑顔でいられるようなアドバイスを行ってきました。
そして青山はヤマモトのような生き方を批判する一方で、うらやましくも思います。
ヤマモトのような生き方が現在の会社では実現できない、このように思ったことが会社を辞める原因の一つでしょう。
仕事やめる?命捨てる?
二人でイタリアンを食べた後に運動をしているシーンで、仕事でミスして落ち込む青山にヤマモトが放った一言。
この一言が、常に青山の心の中にあったと思われます。
仕事を辞めるのと死ぬのはどっちのほうが簡単なわけ?
引用:ちょっと今から仕事やめてくる/配給会社:東宝
この簡単な質問に、青山はうまく答えることができません。つまりそんな当たり前の考えさえ、現在の会社で浮かばなかったのです。
ある意味洗脳と言えるでしょう。会社の社訓にも、心を持つから辛いという趣旨の社訓がありました。
この質問に答えられるようになったのが、会社を辞めることを決意した瞬間。
逆に言えばパワハラ上司の吉田鋼太郎演じる山上に怒られていた時でも、この質問が青山の頭の中にこびりついていたのです。
つまりこの質問が会社を辞める決断を後押ししていたと考えられます。
両親に教わったこと
ヤマモトにさまざまなアドバイスをもらいながら、ノルマばかり求める会社を辞めるという一つの選択肢を青山は考え始めます。
その選択に対して、最後の一押しをしたのが両親の一言でした。
実は両親の言葉を貰う直前まで、青山は会社を辞める決意はしていません。
ぎりぎりまで会社を辞めることは考えていなかった
実家に帰省し、仕事のことについて話すセリフにこのようなものがありました。
明日も仕事だから終電で帰る
引用:ちょっと今から仕事やめてくる/配給会社:東宝
この発言から、両親と今後のことを話す直前まで、青山が仕事を辞める決意をしていないことが分かります。
やはり正社員として勤め続け、転職も簡単ではないと思っていたのです。
つまり実家で両親と話した内容こそ、青山に最後の決断をさせた言葉だったのです。