旧サムと新サムの話し合いの結果、新サムが地球へ行くことが決まりました。新サムは何のために地球に戻ったのでしょうか。
まだ残っている寿命を全うするためなのか、家族と会うためなのか。
もし自分の人生を送るためならば、ラストに告発シーンを挿入することはなかったと思われます。
家族に会うため
家族のもとに帰ることを心の支えにすることは、クローン全員にインプットされている情報なのではないでしょうか。
新サムは旧サムよりも家族への執着が薄いようにも見えます。
仮に旧サムの意志を受け継いだのなら、彼が恋しがっていた家族に会いに行ったとも考えらます。
ですがここで1つ問題になるのは、クローンではないオリジナルのサムの存在です。新サムが家に訪ねて来ても、彼の居場所はありません。
彼はただの道具であり、地球に来てはいけない存在なのですから。
もしオリジナルのサムに見つかったら、ルナ産業によって処分されてしまうはずです。
そう考えると、新サムの目的は家族に会うことではなさそうです。
負の連鎖を断ち切る
新旧のサム達は、自分達が道具にすぎないことを知り、怒りを覚えたはずです。
そしてその元凶であるルナ産業を潰したいと思ったのでしょう。
旧サムが死んだ後、新しいクローンが起動されます。そしてそのクローンが寿命を迎えたらさらに次を起動する。
この負の連鎖から唯一外れたのが新サムなのです。
彼が連鎖から外れたことは大きな意義があり、それこそがルナ産業を潰すことだったのだと考えられます。
サムのクローンが作成された理由
なぜサムのクローンが作成され、月で生きることになったのでしょうか。
月に行けば家族とも会えなくなります。まだ子供が小さいサムにとっては耐え難い仕事でしょう。
しかしサムの暴力に耐えかねた妻と距離を置くことが決まり、自分を見つめ直すために月の任務を引き受けたと思われます。
そんな彼は仕事の適性を評価され、クローン作成を打診されたのかもしれません。自分のクローンを作られることに抵抗があったでしょう。
この時もしも妻が大病を患い、手術費用を稼がなければならない状況だったとしたら…。クローンによる大金に手を出した可能性はあります。
結局妻は亡くなってしまいましたが、クローンが働いている間は彼の生活は安泰なのです。