彼女には恒夫は不要。だから恒夫はもう二度とジョゼの運命と交わる出来ないのです。それを悟り、後悔の涙が溢れ出たのでしょう。

弱い自分

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恒夫がジョゼとの別れを選択するきっかけは両親・親戚への紹介です。ジョゼを紹介するのは難しいですが、香苗だったらどうでしょうか。

なんの心配もなく「恋人です」と宣言できます。彼は本当の愛よりも無難な愛を選んだようです。

そんな心の弱さに対して悔しくて泣いた可能性もあります。

冒頭のセリフが示すその後

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冒頭で恒夫の語りが挿入されています。

ジョゼはいつもこの本ばかり読んでいた。いたってことはねぇか。

引用:ジョゼと虎と魚たち/配給会社:アスミック・エース

この恒夫のセリフにはどんな意味があるのでしょうか。

過去形ではなく現在形

「いた」という過去形を否定していることから、「いる」という現在形を使うのが妥当だったと思ったようです。

つまり今もジョゼは本ばかり読んでいるのだと解釈できます。

なぜ恒夫はジョゼの現在を知っているのか。それは二人が一緒にいるからなのではないでしょうか。

その後

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恒夫のセリフにプラスしてジョゼの声がすることも注目すべき点でしょう。別れた二人は年数をかけよりを戻したと考えられます。

映画の中で描かれた彼らの出会いと別れは、現在の彼らが記念写真でも見ながら語っている回想シーンなのではないでしょうか。

若い時はこんな事があったねと仲睦まじく会話している様子が目に浮かびます。

ですから別れの時だけを切り取ると悲しい物語に見えますが、時を経て振り返ると良い思い出になっていたのだと思われます。

ジョゼと恒夫の成長

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彼らはただ付き合って別れただけではありません。それぞれが成長し、得たものを未来へ繋げたように見えます。

彼らの成長とは一体どのようなものだったのでしょうか。

ジョゼの自立

死んだお婆ちゃんや恒夫。ジョゼはいつも誰かに支えられていました。

それは彼女の足が不自由だったことだけが原因ではないのかもしれません。ジョゼにはもともと心の弱さ・甘えがあったのでしょう。

そんな彼女の弱さや甘えが恒夫を苦しめたと思ったジョゼは、初めて自立の道を選んだのです。

もし恒夫と出会っていなかったら、彼女はここまで成長しなかったかもしれません。

別れは悲しいことだけではなく、新たな可能性ももたらしてくれたのだと思われます。

初めて愛を知った

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ジョゼと一生向き合って生きていけるだろうか。そんな葛藤した恒夫も成長したように見えます。

好き嫌いだけの恋愛ではなく、もっと深い意味での愛を知ることができたのですから。ジョゼの家から出た後で流した涙は、彼の成長の証

それは痛みを伴うものではありましたが、香苗や以前の女性達からは学ぶことのできなかった貴重な想いだったはずです。

福祉の仕事を諦めた香苗

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