また、この一件で隊の中で孤立していた茜が仲間から認められます。
湯原親子、隊の仲間。
孤独な茜もトラウマを克服し、大切な存在ができたことで自分を許せました。
だからこそ自信を取り戻すことができたのです。
研究者たちの苦悩
一度目の機龍暴走の原因はゴジラのDNAでしたが、再びの暴走の可能性は皆を悩ませました。
研究者たちに予想外だったのはDNAの持つ記憶でした。
骨となり完全に死に絶えている初代ゴジラ。
しかしDNAにはその記憶がしっかりと残っていた。
研究者たちを苦悩させたのはDNA、言い変えれば命の持つ計り知れない側面です。
見た目は機械で完全に人類の支配下にある機龍。
ですが、暴走する姿はゴジラそのものでした。
自分たちは命を甘く見てゴジラそのものを復活させたのではないかという事実。
そのことに研究者たちは苦悩したのです。
これは、作品のテーマである「命」に繋がる描写です。
今作が伝える物
今作が伝えるものは何でしょうか。
誰も孤独ではない
トラウマを克服し仲間を得た茜。
茜との出会いで心を変化させた沙羅。
仲間と戦ったものの、結果的に撃退に成功し尚且つ相手を生き残らせた機龍。
それぞれの孤独が解消される形で今作は締めくくられました。
戦闘の最中、機龍は茜が直接再起動させました。
機龍が戦い、最終兵器が勝てたのは茜のお陰です。
ラストに機龍に敬礼する茜には機龍への信頼が見て取れます。
孤独であったはずの機龍にできた新たな仲間。
ゴジラを含め、孤独な命など無いことが示されています。
命は自由な存在
一方で、以前機龍が暴走する可能性は完全に0ではありません。
機龍が単なるコンピューターではなく命を持った存在である以上避けられないこと。
人が誰かを信じることが描かれる今作には、「信じる」という自由があります。
ですが、機龍には表面上そうした自由はありません。
人間が命じるまま戦うだけです。
人類を守るためとはいえ、ゴジラの命を組み込んだ機械を生み出したこと。
それは絶えず危険性を含んだものであること。
研究者たちの苦悩は続いていきます。
公開時より科学が進み、さらに色々な問題が取り上げられる今。
今作を見て命について考えてみませんか。