出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07CCG1XVQ/?tag=cinema-notes-22
皆さんのご家庭には他の家にはない何か変わった“うちだけルール”はありますか?
自分の中で決めたマイルールや、ある種のゲン担ぎ的なルールはあまり人には話せないものがあったりもします。
そして、ルールがあるとそれを破った時に気持ちが悪かったり、ソワソワした気持ちになる人もいるかもしれません。
2017年7月公開のアメリカ合衆国とスペインの合同作品
出演: ジョージ・マッケイ、チャーリー・ヒートン、ミア・ゴス、アニヤ・テイラー・ジョイ
監督: セルヒオ・G・サンチェス
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/マローボーン家の掟
今回は「マローボーン家の掟」のネタバレから主人公長男ジャックに宿った末の弟サムとジャックに関わるアリーについて考察してみます。
5つの掟を破って宿った“人格”
- この屋敷を離れてはいけない
- 鏡を覗いてはならない
- 屋根裏部屋に近づいてはならない
- 血で汚れたお金は使ってはならない
- “彼”に見つかったら砦に避難しなくてはならない
引用:マローボーン家の掟/配給会社:ユニバーサルピクチャー
この5つの掟はストーリーの後半になるまで、ローズの死後に兄妹4人で決めた掟のように展開がされました。
しかし、この掟は父親サイモンの復讐でビリー、ジェーン、サムが殺害されてしまった事実を受け入れられないジャックが自分に課した掟でした。
自分の判断ミスで妹弟が殺害されたショックから、ジャックの中に3人の人格が宿り幻影を見させ生きて屋敷に住んでいると思わせたのです。
“サム”がジャックに宿った理由
もう少し深読みするとジャックは父親のことでイギリスにいたころから、解離性多重人格の兆候があったのではないかと考えられます。
時がきたら心を開いて愛しなさい。みんなを守ってね
引用:マーロンボーン家の掟/配給会社:ユニバーサルピクチャー
ローズが言っていた“彼”とは父親からの酷い虐待でジャックの中に生まれた、別人格の意味もあったのではないでしょうか?
弱弱しいジャックが父親を告発できたのは、ジェーンが父親からの性的虐待で妊娠しサムが生まれたというショックがきっかけという仮説です。
強気な人格が出たジャックが告発したため、サイモンが投獄されても安心できないと考えた母がイギリスを離れる必要があると考えたのでしょう。
“サム”が存在する意味
屋敷の中の鏡を全て隠したのは兄弟が生ていると信じるジャックが、鏡に自分しか映らない現実を知りたくないからです。
鏡を隠す理由を作るためにサムの人格を宿す必要がありました。サムが“幽霊”が見えるから怖いと言う理由があれば鏡を隠す掟にもできました。
サイモンを一番恐れたのはジャックであり、サムの見ている幽霊が屋根裏に閉じ込め餓死させたサイモンだと信じたいからでもあります。
サムはジャックの分身
ジャックは一人で4役を演じながら21歳を迎えなければなりません。しかし、家の権利を巡りポーターが訪問したことで状況が複雑になります。
“血で汚れたお金”を使ったことでサイモンの呪いのようにジャックの恐怖心は増していったでしょう。