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ニック・ピゾラットの小説『逃亡のガルヴェストン』を原作とし、メラニー・ロランが監督を務めた映画「ガルヴェストン」。
組織のボスから命を狙われたベン・フォスター 演じるロイが、人気女優エル・ファニング演じるロッキーを助けたことから逃避行が始まりました。
孤独な二人が人生を見つめ直しますが、運命は彼らに別れを与えます。
20年の時を経てロイはテキサス州ガルヴェストンに落ち着き、そこに大人になったティファニーが訪ねてくるのですが…。
今回は、ロッキーの正体を知った二人の行動・誰も咎められないリアルな人間模様の行く末に迫ります。
オレンンジ郡へ立ち寄った理由
ロイの車で逃走を始めた頃、ロッキーはオレンジ郡に立ち寄りたいと言い出しませんでした。
普通ならば、愛娘がいる家に真っ先に向かうはずです。彼女は娘を見捨てようとしたのでしょうか。
母親と同じ道
ロイに助け出された時に、彼女はティファニーを見捨てて自分の人生を優先させたように見えます。
しかし冷静に考えてみると、自分が母親からされたのと同じことを、今まさにしようとしていることに気付いたのではないでしょうか。
自分を捨てて逃げた母親と同じ人生でいいのか。自分はそんな人間に成り下がりたいのか。
ロイの車の中で、彼女はそんな葛藤と戦っていたのだと思われます。
過去を抹殺
ティファニーは自分の娘とはいえ、継父からの暴行の挙句生まれた子です。
望んだわけではない子のために残りの人生を使うのは嫌だという思いがどこかしらにあったのかもしれません。
ロッキーはまだ19歳ですから、これから恋もして家庭を築くという未来が本来なら待っているでしょう。
ここで逃げれば過去を切り捨てられる。そう思ったはずです。
ですが自分を捨てた母親と自分が重なって見えたロッキーは、娘を見捨てずに過去を抹殺する方法を思いついたのではないでしょうか。
それが継父を殺すことだったのです。
ロッキーの正体を知った二人の行動
継父殺しの記事を新聞で見つけたロイはロッキーの正体に感づきました。
ロッキーの正体を知ったロイと、残されたロッキーはどのような行動に至ったのでしょうか。
ロイの逃走
一度はロッキーに遺産を残そうと思い立ったロイですが、彼女が継父を殺したことを知り、余計な面倒に巻き込まれたくないと逃げ出すことに。
本作の冒頭で自分が肺がんだと思ったロイが、医者の診断を聞くことなく逃げ出したのと同じ反応です。
彼はきっと今まで自分に都合が悪いときには逃げていたのでしょう。
自分さえよければいい。そんな身勝手な人生を送ってきたように見えます。