スタンの組織から抜けたはずのロイは、また殺人に手を染め、悪の道へ逆戻りしたのです。
見捨てられたロッキー
ロイが姿を消したことを知り、彼女の心はどれほど傷ついたでしょうか。
ロッキーは19歳であり、母に捨てられた過去を消化できていません。彼女はまだ大人達に頼らなければ生きていけないのです。
本当ならばロイに逃げられた時点で自殺を選んでもおかしくありません。
しかし彼女が生きることを選んだのはティファニーの存在があったからだと思われます。
愛する娘のため、娼婦の道を再び歩み始めました。ロッキーもロイと同様に、元の環境に逆戻りしてしまったのです。
ロッキーの証言の信憑性
ここまで見ていると、ロッキーの生い立ちが悲惨で、同情するしかありません。
しかしロイ含め私達はロッキーの話を疑うことなく受け止めています。
もしかしたら作品の中で語られた彼女の話が全て嘘だったというパターンもあるのかもしれません。
なぜ囚われていたのか
ロッキーの話を全て鵜呑みにしているロイですが、彼女は本当に信用していい人物なのでしょうか。
まず二人の出会いのシーンが不自然な気がします。
ロッキーはまだ若く、娼婦としてこれからも利用できる人材といえます。ですがロイと同様に始末されそうになっていました。
つまり彼女は組織に不都合なことをしていたと考えるのが妥当だと思われます。何か悪巧みをしていた可能性もあるのです。
そう考えると、彼女が話すことを鵜呑みにするのは危険だと推測できます。
隠しごと
ロイに正直さを求められたロッキーは、自分は娼婦だと話し出しました。ですが彼女はここで継父殺害の事実を隠したのです。
自分に損になることを口に出さない彼女を信用できません。最初からロイを金づるにしか考えていなかったように見えます。
ロイを誘惑
継父から性的暴力を受けていたのであれば、男性に対して非常に嫌悪感を抱いていたと考えるのが当然でしょう。
娼婦の仕事は、組織に見張られていたと思われるので仕方ないですが。
それでも誘惑したのは、「男は金で女を買うものだ」とロイを軽蔑していたからではないでしょうか。
ロイを利用しようと考えていたのなら、自分の立場が悪くなった場合、保身の嘘をつく可能性はあります。
ロイの自己証明
ロッキーの思惑を知ってか知らずか、彼女の正体を知った途端、ロイは過去を懐かしむように元カノと再会します。
この再会は彼にとってどんな意味があったのでしょうか。
理想と現実
楽しかった思い出を語るロイに対して、元カノは辛かったことしか覚えていませんでした。
彼女なら自分のことを分かってくれているとロイは思っていたのでしょう。ですがそれはロイの自分よがりでしかなかったのです。
この理想と現実の差はロイの存在価値さえも揺るがしたように見えます。