本音の部分を紐解けば、ウェイドがマイクを陥れたのは彼がスカウトを断ったからではないでしょうか。

マイクが長年現役として働き続けた疲労蓄積で退職を考えていたところをウェイドがスカウトしました。

それを断られたとあっては長年の同僚だったウェイドからすれば裏切りに等しい行為でしょう。

恐らくウェイドの中ではマイクが来れば会社の経営は安定し持ち直す腹積もりだったと思われます。

これが本作における未曾有の陰謀の中身だと思うと、何だか悲しい話です。

マイクが父を頼った理由

父と子(新潮文庫)

マイクはFBIら過激派からの逃走中、何故か疎遠だった父に救援を頼みます。

幾ら父親とはいえ、長らく会っていなかった人に救援を頼めるでしょうか?

ここでは一体どのような動機でマイクが父に救援を求めたのかを見ていきましょう。

元軍人だったから

一番の理由は父クレイが元軍人だったということが挙げられます。

引退して隠居していたとはいえ、父も元々は前線で慣した凄まじい力の持ち主ですから頼れます。

その実力は折り紙付きで有事の際に仕掛けていた爆弾でウェイドの追っ手を殲滅させるのです。

もし父が現役で軍人を続けていたらもっと凄かったのではないでしょうか。

正に昔取った杵柄というべきか、折り紙付きの実力を誇りました。

四面楚歌だった

闘将 to 四面楚歌 ”西楚の覇王”も人望が盛衰を分かつ

二つ目に四面楚歌で他に頼れる人がいなかったからというのが挙げられます。

どんなに無敗を誇ってきた英雄といえど、それはあくまでも組織のバックアップがあってのこと。

組織の後ろ盾を失ってしまった彼は誰にも頼ることが出来ず、孤軍奮闘で容疑を晴らさないといけません。

となるとこんな状況で他に頼れるのは世俗から身を隠し情報に踊らされていない父以外いないでしょう。

正に不幸中の幸いであったというわけです。

地の利を生かせる

翻訳ほど残酷な仕事はない〈第2部〉地の利

そしてもう一つ、これはマイク本人も驚いていましたが、自然に覆われているという地の利を生かせます。

森の中はうっそうとしており、どのような仕掛けが凝らされているのか分からないものです。

特に猟師やかつての忍者達は山の中に身を隠し、罠を張って生き長らえていました。

だから父クレイもそれに倣って罠を張り、爆弾を大量に仕込んで生き長らえていたわけです。

全滅は無理でもその場しのぎの対応策としては効果的でありました。

戦いとは何も持っている武装の数や種類だけじゃなく、地の利や運など色んな要素が絡みます。

そうしたものをフルに生かして戦ってこそ初めて勝利が得られるのです。

長官を引き受けた真意

大統領の護衛とマイクの名誉を巡る戦いは無事にマイクの勝利で終わり、彼は無罪放免となりました。

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