行き過ぎた善こそが実は一番怖いのだということがアリアに象徴されているのです。
闇正義執行人
つまりアリアを通して描いているのは結局テロリストと政府は表裏一体であるという皮肉です。
テロリストを一方的に悪と決めつけると、その為ならどんな武力衝突も合法化されて善となってしまいます。
しかしそんな風に目には目を、歯には歯をの発想こそが実は一番争いの火種となるのです。
その意味でアリアは人類が生み出した科学の産物でありながら最強の闇正義執行人でもあるでしょう。
合法的に裁けない社会の悪を合理的に裁くシステムなのがいわゆるアリアのキャラクターとなっています。
だからこそテロ防止を目的としながら、その為に不要なものは排除する極端な方向へ行くのです。
イーサンの死の真相
そんな闇正義執行人のアリアによってイーサンが謎の死を遂げていました。
残されていたビデオでもその真相までははっきりとは分かっていません。
一体何がイーサンに起こったのでしょうか?
ギロチン計画を邪魔された
結論からいうと、アリアのプログラムの一つであるギロチン計画を阻止されたからです。
ギロチン計画とは上記した政府が暴走した時にアリアが阻止する権限のことを指します。
イーサンは何とそれが起こらないようにと音声ロックをかけてしまったのです。
そのせいでギロチン計画が実行できなくなり、アリアは邪魔者と判断して殺しました。
即ち闇正義執行人としての立つ瀬がないことになってしまいます。
ジェリーの双子の兄
イーサンはジェリーの双子の兄という設定で見た目も声も瓜二つです。
これが後にジェリーを呼び寄せる理由になるのですが、アリアは目的の為に兄弟すら利用するのです。
だからといって表向きに殺したとしては不味いし誰も見ていないからと事故死を装いました。
テロ防止のためとはいえ無実の一般人を巻き込んで殺したのでは手垢がついてしまいます。
そしてそれが今回の事件の伏線ともなっているのです。
個人の判断で起こるのがテロ
こうして見ると、テロ防止の為に開発されたアリアこそが一番のテロリストだったことになります。
その元凶を作ってしまったのはギロチン計画の阻止を目論んだイーサンなのですが…。
こういうちょっとした個人の判断の間違いからどんどん連鎖して起こるのがテロではないでしょうか。
国家レベルの陰謀といえど、それを起こす起こさないの判断をするのはあくまで人間です。
ジェリーとレイチェルが選ばれた理由
こうして遡っていくと、何故無実だった筈のジェリーとレイチェルが選ばれたのかも分かります。
アリアが冒頭で二人に電話で指示をした意味、今度は彼らの視点で考察していきましょう。
ジェリーを呼び寄せた理由
ジェリーに関しては上述したイーサンの双子の弟であるということから答えは明白です。
アリアはイーサンと同じと認識出来るジェリーに音声ロックを解除して欲しかったからに他なりません。