自分達の夢を実現しようとすると必ずそれを阻む邪魔者はいつの時代にも現われます。

パン屋の夫婦もまた魔女という障害になる敵が居ることが4人と引き合わせたのでしょう。

幸せになるための代償が必要

そして1番の共通点は幸せになるために大きな代償を払う必要があるということです。

ラプンツェルは子供を産めない体にされたり、赤ずきんは狼に一度食べられたりします。

ジャックにしたって巨人の男から命辛々逃げ延びるという生死の境を彷徨っているのです。

シンデレラに至っては舞踏会で幸せを掴むために義母と義姉妹と絶縁までしてしまいます。

つまり大きな幸せを掴むにはその影で何かしら重い代償が支払われているのです。

その痛みがあるからこそグリム童話の幸せはただの幸せではない重みのあるものとなります。

魔女が死んだ理由

魔女図鑑―魔女になるための11のレッスン

物語序盤で敵として現われた魔女ですが、彼女は終盤にあることがきっかけで死んでしまいます。

その流れは原作と大きく異なっているのですが、何故彼女は死ぬことになったのでしょうか?

原作との相違も踏まえながら掘り下げていきましょう。

ラプンツェルと王子の駆け落ち

偽りの駆け落ち

最初のきっかけはラプンツェルと王子が駆け落ちして逃げられてしまったからでした。

原作だと悪者扱いされる魔女ですが、本作ではパン屋の夫婦がやらかした代償を食らった被害者です。

彼女はあくまでもラプンツェルを可愛がっており、自分をいつか若い姿に戻してくれると思っていました。

ところがその本分を忘れてしまったラプンツェルは王子と駆け落ちし、本来の願いを果たせなくなったのです。

呪いをかけて監禁した因果応報とはいえ、まさかこのような形で裏切られるとは思ってもみなかったでしょう。

若さと引き換えに魔力を失った

代償 (角川文庫)

森の中で一通り全員の願いは叶いましたが、その反動が終盤で一気に押し寄せてきました。

魔女の場合はそれが若さと引き換えに魔力を失ってしまうというかなり重い代償です。

自身の売りでもあった魔法を失うとなればそれはアイデンティティを否定されるも同じでしょう。

魔女は魔法を使えるからこそ魔女なのであり、それがなくなればただの女でしかありません。

それは魔女からしたら人生最大の屈辱だったのではないでしょうか。

ジャック達の本性に嫌気が差した

決定打は浮気したパン屋の妻が崖から落ちて死んでしまった責任を擦り付けられたことです。

パン屋の妻が王子と浮気したのはあくまでもパン屋の妻の独断専行であり、魔女に非はありません。

にもかかわらず妻の死の責任を誰かに押しつけなければ気が済まないジャック達に嫌気が差したのでしょう。

単に責任を擦り付けられたからではなく、簡単に仲間割れを起こすジャック達の本性の浅ましさが嫌だったのです。

魔女が守りたかったもの、欲しかったものは手に入らず、最後は自身が裏切った人間達に裏切られました。

これでは絶望して死を選択してもおかしくはありません。

森が物語に与える影響

おおきな森

魔女の死がそうであるように、本作はいわゆるクロスオーバーによる補正で原作から大幅に物語が変わりました。

ここでは各作品に照らし合わせながら森での共演がどのような影響を与えたのかを見ていきましょう。

目標達成の為に本来の幸せを失う

1番大きな影響は目標達成の為に奮闘した結果望んだ幸せが手に入らなかったことではないでしょうか。

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