出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07FCGY4WG/?tag=cinema-notes-22
映画「ALONE/アローン」は2016年公開のアクションスリラー映画です。
主演は「ソーシャル・ネットワーク」で有名なアーミー・ハマーで、主人公マイクをしっかり演じきっています。
内容は砂漠地帯の地雷原で地雷を踏み52時間只管暑さと寒さの中で待ち続ける極限状態を描いているのです。
目の前で相方のトミーが爆死してしまうトラウマを乗り越える間もない状況で52時間待たないといけません。
その緊迫感と主人公の追い詰められ具合に思わず手に汗握り見入ってしまいます。
本稿では途中で現われる謎の男と少女の正体をネタバレ込みで考察していきましょう。
また地雷から足を離した理由とラストのジェニーに対するプロポーズの意味も併せて見ていきます。
動きたくても動けない
本作は主人公を徹底的に追い詰めるタイプの作品ですが、特徴的なのは“動きたくても動けない”ことです。
こういう悲劇ものは運命に抗う主人公の生き様を描くことで視聴者の共感を呼ぶことでカタルシスを生みます。
しかし本作ではそのセオリーを大胆に崩して運命に抗う為に動けない特殊な構造になっているのです。
マイクは高い実力を持つ兵士でありながらその力が地雷によって完全に封じ込められてしまいます。
そんな中で2日と4時間も微動だにせず待つのですから普通なら発狂してもおかしくありません。
ピンチというピンチが訪れますが、独特の乗り切り方をしていくという面白い発想の作品です。
謎の男と少女の正体
本作では動きたくても動けないマイクの前に謎の男と少女が現われ助けに入ります。
果たしてマイクの前に現われた彼らは何者なのでしょうか?
あらすじを追いながらその正体を考察していきましょう。
謎の男はベルベル人
謎の男は偶々その砂漠地帯を通りかかったベルベル人であり、こちらは実体がありました。
何故このベルベル人が姿を現したのかは不明ですが、それこそ運というものでしょうか。
運も実力のうちといいますが、窮地のマイクに何よりも味方してくれたのは圧倒的な運の良さでしょう。
世の中信じられない位運の良い人は確かに居ますが、マイクも恐らくはその1人だったのです。
それは無常にも目の前で死ぬしかなかったトミーと比較すれば一目瞭然でしょう。
少女の正体はベルベル人の娘
そしてまた少女の正体は何とベルベル人の娘であり、これはベルベル人の男自ら証言しました。
水を持ってきたのは私だけで娘は以前に死んでいる。君が見た娘の姿は幻だ
引用:ALONE/アローン/配給会社:パルコ
それを証明するように、少女はマイクの目の前に姿を現しながらも何もしませんでした。
ではその何もしない死んだ娘の幻が何故彼の前に姿を現したのでしょうか?
それは過去の記憶を巡る中で婚約者ジェニーへの想いが形を変えて幻を生み出したからと推測されます。
怒鳴ると突然に消えた少女はかつて自身が暴力を振るいかけたジェニーへの想いの具現化かもしれません。
成仏出来なかった少女の霊
もう1つ、少女の幻の正体はブリキを埋める代わりに地雷で爆死した少女の霊の可能性もあります。