即ちノラをはじめカロンの犯人達からすればマタイアスはネット犯罪へ巻き込む格好の的なのです。
マタイアスに警戒心と賢さがあればまずデータをしっかり初期化した上で安全に使用したでしょう。
それをやらない人だからこそ犯人達からすれば利用価値のあるカモだということになるのです。
マタイアス達の個人情報の特定
そしてマタイアスがノラの動画を見始めダークウェブへ足を突っ込めば後はもうお手の物です。
IPアドレスなどから主人公達のデータを簡単に特定し、そうなれば住所特定も容易に行えます。
ここまで来たら後はもうカロンの犯罪計画は次々とドミノ倒しのように進んでいくのです。
ましてや1000万もの仮想通貨となれば食いつかない人などそうそう居ないのではないでしょうか。
個人情報が特定されれば後はゲームのルールに則って殺すだけでゲームは完成します。
アンフレンデッド(友達解除)させる
そして最大の目的はマタイアス達をアンフレンデッド(友達解除)させることにあったのでしょう。
ここにこそ本作が前作と同じタイトルを冠する意味があり、主人公達はなし崩しに孤立していきます。
ネットで簡単に繋がれる関係とは逆にいえばネット情報を操作されたらあっという間に崩れてしまう関係。
そのことを見せしめにするために全員をゲームと称しての犯罪に巻き込んで入金し殺したのでしょう。
その目論見通りにマタイアス達は殺されてしまった格好なのです。
君子危うきに近寄らず
予告編や作品情報だけだと一見マタイアス達は巻き込まれたようですが、実際はマタイアス達の自業自得です。
上述したように、中古のPCを買った段階で初期化・再設定を行っておけば避けられた事態ではないでしょうか。
ここから得られる一つの教訓は君子危うきに近寄らず、即ちネットでも危険な場所には近づかないことです。
そこさえ守って余計なことをしなければ、自分の身を守ることなど造作もなく出来たことでしょう。
それが出来なかったマタイアス達にもまた責任はあり決してただの巻き込まれ型サスペンスではありません。
その辺りの個人情報漏洩も含めたネット社会の恐ろしさを突きつけたのが本作ではないでしょうか。
セキュリティや自衛の大切さ
本作が一番に伝えたかったこと、それはセキュリティや自衛の大切さです。
前作とは違い主人公達の疑心暗鬼ではなくネット犯罪という外的要因によって壊されました。
構造が明確過ぎる故評価は前作に比べてイマイチのようですが、しかし底知れない怖さは同じです。
誰もが情報発信出来ることは逆に自分の知られてはいけない弱みを曝け出してしまうことにもなります。
そしてカロンのようなネット犯罪者はそのような人達をこそ一番のカモとして狙っているのです。
便利な時代になったからこそ、その便利さの裏にある闇の可能性も考慮しないといけません。
そのリアルさを逆説的に教えてくれる格好の材料となったのではないでしょうか。