出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00SQUUDYE/?tag=cinema-notes-22
アメリカロッキー山脈で、山岳救助隊員が武装強盗犯の1億ドルの現金強盗計画を失敗に追い込む映画『クリフハンガー』。
キャストには若きスタローンが登場しており、アクション要素も非常に強い作品になっています。
その中での疑問が、なぜスタローン演じるゲイブが仕事を辞めようとしていたのに、救助に同行しているのかということ。
唐突にハルの前に登場したため、理由が分からなかった人もいると思います。
また武装強盗犯との戦いの中で、ジェシーが崖から落ちそうになるところをゲイブが救出しますが、あのシーンには深い意味があったようです。
そして映画全体を通して、なぜ一山岳救助隊が武装強盗犯の犯行を阻止することができたのか。
今回は「ゲイブが救助に同行した理由」「ジェシーを救出したシーンの意味」「犯行阻止できた理由」を考察します。
愛する人と親友と
映画の中で最も気になるのが、サラの死をきっかけに仕事を辞めようとしていたゲイブが、なぜハルと一緒に救助に向かうのかという点。
ゲイブはハルの目の前に登場したとき、こう発言しました。
ジェシーに頼まれた
引用:クリフハンガー/配給会社:トライスター・ピクチャーズ
ジェシーは確かにこのシーンの直前に、ハルのサポートをするように頼みます。
そこでゲイブは一度断りましたが、おそらく考え直すうちに救助に向かう気持ちになったのでしょう。
その理由の一つは、頼まれている相手が愛するジェシーであったこと。
もう一つが、サポートをするのが「親友」のハルであることの二つです。
愛する人の頼みと親友のサポート。これを最後の仕事と決めて、救出にゲイブは向かったのだと思われます。
しょく罪のため
映画冒頭で高所から落ちてしまうサラの手を握っていたのはゲイブでした。
そのサラの手を握りきれなかったこと、安全装置を確かめられなかったこと、これらの罪悪感からゲイブは自信を喪失しています。
最期にハルの救助に同行したのは、罪悪感を少しでもぬぐおうと、しょく罪のつもりで向かったのです。
ジェシーに言われたことをそのまま伝える
ハルと顔を合わせたとき、その場で二人は喧嘩になりました。この時ゲイブは、ハルに責め立てられこのように語ります。
最善を尽くした
引用:クリフハンガー/配給会社:トライスター・ピクチャーズ
この言葉はまさにジェシーがハルを説得するために使った言葉です。その言葉にゲイブは全く納得していませんでした。
つまり、サラのことに対して、とりあえずジェシーの言葉を借りて何か理由を持っておこう程度にしか思っていなかったのです。
しょく罪のためにハルのサポートをする。それしか考えていないので、ジェシーの言葉を借りてとりあえずその場をしのごうとするのでした。
彼女の目を見たか
先ほどと同じシーンで、ハルはゲイブを殺そうとして崖の真上でゲイブの襟首をつかみます。
さすがのゲイブもここで本音を出していました。
彼女の目を見たか
引用:クリフハンガー/配給会社:トライスター・ピクチャーズ
つまり、崖から落ちる直前のサラの目を見てたゲイブは、一番近くでそれを見ていたからこそ罪悪感にさいなまれているのです。
その罪悪感を押し殺すつもりが、親友の言動に耐え切れず出てしまった背景がこのセリフには隠されています。
サラへの、そしてその彼氏であったハルへの罪悪感から、救助に同行したことがこのことから予測されるでしょう。
罪悪感を乗り越えて…
洞窟に逃げ込んだジェシーとゲイブは、洞窟ごとエリックに爆破されそうになります。
その際ゲイブは、落ちそうになるジェシーを助けますが、意外とさらっと流れたこのシーンには大きな意味合いがあるのです。