人間関係は鏡映しであるとよくいいますが、サラも場合によっては交通事故で流産してた可能性もありました。
その場合果たして謎の女と痛み分けで和解できたのか、それともお互いに憎しみ合ったのかは分かりません。
いずれにしても、人の命に関わることは後処理をきちんとしておかないといけないことがよく分かります。
謎の女の復讐がここまで事態を拗らせたのは少なからずサラにも原因があるのではないでしょうか。
最後に女がサラを助けた理由
本作のラストでは揉み合いの末プールに落ちましたが、女は何故かサラを助け出して死にました。
復讐の対象にしていた筈なのに何故彼女はサラを助け出したのでしょうか?
流れを振り返りながら掘り下げていきましょう。
赤ちゃんを死なせたくないから
謎の女の最終目的はあくまでサラが陣痛の末に出産する赤ちゃんを奪うことでした。
この時まだ赤ちゃんはサラのお腹から出てきていませんでしたので、このまま落ちれば赤ちゃんも死にます。
その最悪の事態だけは何としても避けなければならない為に謎の女はサラを助けたのです。
サラは女にとって復讐の対象なので、まかり間違ってもサラに情けをかけたわけではありません。
最期のエネルギーを振り絞ってこれから生まれてくる命を助けたことになります。
交通事故のトラウマの再来
また二人ともプールに沈んで死にかけたこのシチュエーションは交通事故のトラウマの再来だったのです。
赤ちゃんを大事に思っているサラと女にとって、赤ちゃんだけは守りたい母性本能が無意識に動いたのでしょう。
そしてそれは自分の子か他人の子かは関係なく体が反応してしまったのではないでしょうか。
つまりもうここに来ると復讐云々以上にただ奥底で無意識の内に体が反応したと推測されます。
極限状態に追い込まれると人間は本能に近い動きをするといいますから、ここでの動きも正にそれでしょう。
体力を消耗していた
そしてプールに落ちた女性が力尽きたのはそれまでに体力を極限まで消耗していたからです。
まずサラを限界ギリギリまで追い詰めるだけでも気を張りますし、巡回に来た警察を二人殺しています。
更には一度サラに気絶させられた上に逃亡しようとした車の助手席に無理矢理乗る形となったのです。
これだけ体力を殺がれた状態でプールに追い込まれれば助かるわけがありません。
結果としては皮肉にも殺そうと思っていた相手を助けることになったのが後味の悪さを生み出していますが…。
女が正体を明かした意味
女はサラに対して自身の目的のみならず正体も同時に明かすことになりました。
普通であれば最後まで謎のまま伏せておいても良かったはずです。
サラに正体を明かしたことには何の意味があったのでしょうか?
監視カメラなどで自身の過去を見られた
一番大きな理由はサラが逃げた改築中の家にあった監視カメラと写真で真相を知ったからです。
部屋にサラの写真が大量に貼ってあることなどからしてこの家は女の家だったのでしょう。