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『エイプリルフールズ』は2015年に公開された、フジテレビ製作のエンターテイメントコメディ映画です。
大ヒットドラマ、『リーガルハイ』を手掛けた古沢良太と石川淳一監督による再びのタッグは大きな反響を呼びました。
また、映画のタイトルになぞらえてエイプリールフール当日に公開するとは遊び心にあふれていますね。
ここではレストランであゆみが出産できた理由、そして除霊師のメッセージなどを考察しながらこの映画に迫っていきます。
複数の嘘が織りなす人間模様
『エイプリルフールズ』は松坂桃李演じる牧野をはじめ、登場人物の多くが嘘をついている物語がそれぞれ進んでいきます。
さらにそれぞれの登場人物や物語は、その嘘によって少しずつリンクしていき、さらなる嘘や真実が明らかになっていくのです。
それぞれの嘘が物語に影響を与えており、自分のついた嘘はまわりまわって自分へ返ってくるという意味があると考察できます。
また、この映画の舞台は東京でありますが、人と人とのつながりが希薄になっている街での出来事といえます。
ここから、人同士は知らず知らずでも関わり合いながら生きているという意味をもっているのではないでしょうか。
レストランで無事出産できた理由とは?
イタリアンレストランに立てこもっていたあゆみは破水してしまい、そのまま出産をすることになりました。
ではなぜ病院ではないレストランで医師のいない中、無事に出産することができたのでしょうか?
みんなの嘘による自己暗示の力
出産の処置を拒んでいた牧野に、菜々緒演じる麗子が自分は助産師であると嘘をつき、鼓舞しました。
その後、それに呼応するようにその場の皆が看護師である、などポジティブな嘘をつき始めたのです。
これは、皆が自分自身に嘘をつくことで自己暗示をかけて出産に臨んだと考えられます。
また、出産に苦戦する牧野も自分は天才医師であると嘘を自分に言い聞かせ始めました。
ポジティブな言葉にすることで必ずやり遂げると自分にいい聞かせている場面であるといえるでしょう。
ナンパのために読んでいた医学書の知識
牧野は医師であると嘘をついてナンパをしていた際に、医学書から得たうんちくを話しのネタにしていました。
また、裏口入学とはいえ大学の医学部にて勉強していた過去もあります。
ナンパをしていた女性の中に赤ちゃんを抱えた女性もいたことから、出産や妊婦に関しての本もきっと読んでいるはずです。
動機は不純でありますが、こういった医学書の知識の蓄積により出産を安全に進めることができたのではないでしょうか。
レストラン内にいた全員の協力
出産の成功にはレストランにいた全員の協力も欠かすことはできません。