さらに映画の中に『リーガルハイ』の出演者である里見浩太朗や矢野聖人、生瀬勝久など多数出演しているのも注目です。
そういった点でも遊び心に溢れた作品といえるでしょう。
嘘をつくことは悪いことなのか
『エイプリルフールズ』ではたくさんの人の嘘が重なっていき、それが暴かれることで物語が進んでいました。
牧野は今までのたくさんの嘘を責められていましたが、嘘をつくことは悪いことなのでしょうか?
嘘に溺れてしまう
牧野は今まで数々の嘘を重ね、最後には自分ですら何が本音で何が嘘かわからなくなっていました。
嘘を隠すためにさらに嘘を重ねることで、自分自身が嘘に溺れている状態といえます。
こうした自分勝手な嘘は自らを滅ぼすというメッセージであるともいえるでしょう。
人は誰しも嘘をついているのかもしれない
その大小や数などはどうあれ、人間は誰もが嘘をついていると考えられないでしょうか。
牧野の嘘とその態度を責めていた麗子ですら、キャバ嬢である自分をキャビンアテンダントと偽っていると明らかになりました。
はたして人生で一度も嘘をついた事のない人間はいるのかという問いかけともとらえることができます。
優しい嘘に救われることもある
優しい嘘に救われる、という事実もこの映画には描かれています。
櫻小路佑麻呂は末期がんで余命が少ない妻に、がんは完治していると嘘をついていました。
これは心置きなく最後の思い出を作り、外出を純粋に楽しんでほしいという想いからついた嘘と考えられます。
また、宇田川が実の娘である理香に誘拐犯と偽り社会勉強と更生をさせようとしたのも優しい嘘といえるのでないでしょうか。
さらに、あゆみが常に持っていた芋けんぴもまさしく優しい嘘の象徴として機能していると考察できます。
嘘とうまく付き合いながら生きていく
『エイプリルフールズ』はそれぞれの登場人物の物語の嘘が相互作用を起こし、最後には奇跡が起こりました。
自分勝手な嘘やたくさんの嘘は自らの身を滅ぼすかもしれませんが、優しい嘘によって救われる人もなかにはいるかもしれません。
日本語のことわざにも「嘘も方便」といった言葉もあります。
時には誰かを思いやる嘘が必要になる場面があなたにも訪れることもあるでしょう。
したがって現代社会では嘘とうまく付き合いながら生きていくことが必要なのではないでしょうか。
さらに誰かのためを思った嘘を現実にすべく行動することで、その誰かにも素敵な奇跡が起こるかもしれませんね。