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KADOKAWAから刊行された大石圭の小説を原作とした映画「アンダー・ユア・ベッド」。
この作品は安里麻里が監督を務め、2019年に公開されました。
主演の高良健吾が、大学時代に恋した女性のベッドの下に潜む孤独な男を演じています。
主人公の三井は11年前に名前を呼んでくれた千尋と再会し、家に不法侵入し始めますが、そこで夫からDVを受けている事実を目撃。
ですが三井は彼女を助ける勇気が出ず、陰ながら応援するしかありませんでした。
一方の千尋も誰かが家にいる気配を感じますが、いつしか安堵感を覚えるようになります。
果たして三井は千尋を救い、再び名前を呼んでもらえるのでしょうか。
今回は、名前を呼んで欲しい理由・なぜ不法侵入に安堵を感じたのか・三井の成長のきっかけをネタバレ考察します。
名前を呼んで欲しい理由
人生の中で名前を呼ばれたのが一度だけという孤独な三井。彼はもう一度千尋に名前を呼んで欲しいと願いました。
なぜそれほどまでに名前を呼ばれたいと思っていたのでしょうか。
助け出してあげたい
最初は学生時代に味わった、あの幸福感にまた包まれたかったから名前を呼んで欲しかったのでしょう。
しかし夫の暴力に耐えている千尋を見ているうちに、違う意味で名前を呼んで欲しくなったように見えます。
自分に助けを求めて欲しい。彼女を守りたい。そんな思いに駆られたのではないでしょうか。
ただの傍観者ではなく、彼女の役に立ちたいと強く感じていたはずです。
三井の立場はストーカーですから、自らすすんで助けに行くことははばかられます。
もし千尋が名前を呼んでくれれば、助けに行けるのにという苦々しさもあったのかもしれません。
あの頃の千尋に戻って欲しい
現在の千尋はかつての輝きが失われ、虚な表情をしていました。どうにかあの時の彼女に戻って欲しいと願っていたはずです。
三井の中では「名前を呼んでくれた当時の千尋=幸せな千尋」。
名前を呼んで欲しいという願望は彼女に幸せになって欲しいという意味なのではないでしょうか。
つまり名前を呼ばれたいのは己の願いではなく、千尋のために湧き出た思いなのかもしれません。
なぜ不法侵入に安堵を感じた?
家に誰かが侵入している痕跡があれば、怖いし気持ち悪いと思うのが当然です。
しかし彼女は最初こそは気持ち悪さを感じたものの、いつしか安堵を感じ出します。
なぜそんな心境の変化が起こったのでしょうか。
一番怖いのは夫
何度も家に侵入する不審者。普通ならばすぐにでも通報してもおかしくない状況です。