ですがここには、姉妹だからといってなんでも理解し合えるわけではないと、ある意味で当たり前の帰結が提示されているともいえるでしょう。

最初から提示されていた世界設定の矛盾

この物語の前提にあるのは非常に厳格な世界設定ですが、作り手が自ら、矛盾を示しているポイントを考察します。

個性的な7人の姉妹

どんなに完ぺきに見えたプランでも、ささいなきっかけで崩壊してしまうことは、カレンを見れば一目瞭然です。

マンデーの恋人や妊娠以前に、7人全員違う個性をもっていること、情報共有の失敗で混乱が生じていることは、最初から描かれています。

完全なコントロールなど最初から無理ということは自明なのです。

愛、普遍的な欲求

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更にこれは、他の人物にも見ることができます。

政府側の人間にも関わらず、カレン(マンデー)に惚れて協力したエイドリアン。孫の愛おしさに反社会的行為を貫いた祖父。

彼らは命を懸けても、体制に従わない存在です。

そしてここには、愛するものを守りたいという共通する目的を見ることが出来ます。

その点で言えばケイマンでさえ、子どもたちの未来を憂いていたということだけは、事実といってもいいでしょう。

誰かを愛することもまた、生き物として当然の行動。コントールできるようなものではありません。

にも関わらず、この世界ではその為に姉妹を裏切ったり、冷凍保存と見せかけ子供を殺さなければならなかったり。大きな矛盾があります。

この世界観は崩壊することを前提に、人としての普遍的な在り方を浮き彫りにする働きを担っているのです。

では、そんな作品を通して伝えたかったことはなんなのでしょうか。それはエンディングの展開から考察することができるでしょう。

児童分配法がなくなった未来の先に

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ケイマンが逮捕され児童分配法は廃止に。これからは自由に命が育つことでしょう。

ただそれでも、世界が抱えている問題は解決されていません。

映画のラスト、並べられた新生児に見出すのは希望でしょうか。それともケイマンが正しかったのか。判断は観客に委ねられています。

しかしここで活きるのが、主人公カレンの存在です。映画のラスト、自ら「カレン」と名乗るサーズデー。

生存のための選択を 誰に委ねるのです?

引用:セブン・シスターズ/配給会社: コピアポア・フィルム

ケイマンの最後の問いにも呼応します。

与えられた役割(曜日名)を捨て、自分自身として生きることの選択。

それこそが、未来を生きるのに必要だというメッセージなのではないでしょうか。

前を向き、はっきりと名乗る彼女の姿には、希望を見出さずにいられないはずです。

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