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【シンプル・フェイバー(ネタバレ)】二人が親しくなった理由を考察!なぜエミリーを逮捕できた?ショーンと再婚した真意とは

ここで改めてショーンとステファニーの二人の関係性を解釈していきましょう。

エミリーの喪失

喪失

最初のターニングポイントはエミリーを喪失したことにあります。

二人はエミリーを失った悲しみから慰め合う内に自然に肉体関係へと発展しました。

それだけで見ると傷の舐め合いのようですが、二人はお互いをしっかり支えています。

ステファニーもショーンも根っこは凄く真面目で誠実な人柄というのが良かったのでしょう。

まず人間性への尊敬がなければ再婚へと向かうことは普通ありません。

一人での子育てに限界がある

二つ目にブロガーをやっているステファニー自身一人の子育てに限界があったのではないでしょうか。

直接描かれていませんが、ステファニーはエミリーから息子の面倒を頼まれたりしていました。

ベビーシッターを雇っている場合は別として、アメリカで生計を立てながらの家事はきつい筈です。

ここでショーンがいると幾分その負担が減ってお互いに精神的な余裕も出来ると思われます。

ステファニーのようなタイプは一人ではなく支えてくれる人がいて初めて実力を発揮できるのです。

関わる人と環境が全て

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そして三つ目は上述したようにエミリーの保険金詐欺を止められるということです。

勿論これは結果的に生じたもので最初から意図して狙った訳ではないでしょう。

しかし孤高なエミリーよりも気立ての良いステファニーとの方がショーンは男としての輝きを増しています。

ステファニーのような甲斐甲斐しい人の傍でこそショーンはあれだけの作戦を思いつけたのです。

結局関わる人と環境によって人生はいかようにも変わることを示したかったのではないでしょうか。

自分に正直な者と嘘をついた者

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ステファニーとエミリー、結果としては「自分に正直な者」「嘘をついた者」の違いではないでしょうか。

ステファニーは騙されやすいけど自分に正直に生きているので自然と周りに人が集まってきます。

一方のエミリーは名前も身分も全てを偽って詐欺師として生きていた為に誰も周りに集まりません。

エミリーのように人から奪う人は最終的に人に与えてきた者には勝つことなど出来ないのです。

それはショーンという男性がステファニーを選んだ結末からも火を見るより明らかでしょう。

“前衛的”と”普遍的”のバランス

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本作はこうして見ていくと“前衛的”と”普遍的”のバランスが絶妙です。

端々の要素は今時のように新しく、またコミカルさを重視した演出が目立つので前衛的に見えます。

服装や音楽は勿論何よりラストの犯人を車で弾き飛ばすなどまともな犯人の追い詰め方ではありません。

しかし一方で物語で描かれる芯の部分は極めて普遍的というか誰にとっても受け入れやすい物語です。

演出の邪道と物語の王道が共存しお互いを引き立てているのが本作の個性ではないでしょうか。

ステファニーとエミリー、二人の両極端な生き様の化学反応が新たな面白さを生み出した名作です。