自分の子供が脳死になったら…、死んでいることを認めたくない両親の姿は、観る者に複雑な感情をぶつけてきます。
死んでいるといわれていても、子供の体は温かく成長をし続けているのです。
生き延びる者と死んでいく者の対比が切なく描かれていました。
息子優輔への想い
劇中では、フライトドクターでありながら救命センター部長として橘先生は落ち着いた助言を出していました。
しかし、彼のコメントには自分が経験してきた辛い過去が秘められています。
かつて心臓移植を受けた息子の優輔ですが、すんなりと成功したわけではありません。
ドラマ内には、医師としての橘と親としての彼の葛藤が描かれていました。
我が子が助かる為に、他の子が死んでいくことを願ってしまう…。
ここにもきれいごとではない、医療現場の現実が描かれています。
もし自分の家族が提供を待つ身だったならば、橘先生と同じことを願ってしまうかもしれません。
劇中で、下記のように語っていた裏には深い思いがあったのです。
何もしなくていい。
俺たちは臓器提供を薦めることも止めることも出来ない。
引用:劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-/配給会社:東宝
さすが橘先生と感じるアドバイスですが、彼はこれまで息子という宝物を前に数々の経験をしてきたのです。
だからこそ、脳死の患者さんや遺族の方としっかり向き合えたのではないでしょうか。
緋山と緒方の関係
戸田恵梨香が演じる緋山は今回、緒方との関係について悩む役どころでした。
2人の関係もドラマから続くものとなっています。
緒方の障害
緒方博嗣は、イワナ釣りで事故に遭い搬送されてきた元患者です。
この事故により手が上手く動かせなくなっている、という背景があります。
劇中では料理の話になっていますが、この緒方は元ミシュランレストランのシェフなので、味に少々うるさいのです。
実はドラマの中では、緒方が自分の障害を気にして緋山に別れをいいだすというエピソードもありました。
その時、緋山は障害を持っていても気にせず彼と付き合っていく道を選んでいます。
だからこそ、劇中のすれ違いを歯がゆく感じてしまうのです。
緒方の頑固さが喧嘩の引き金
劇中で緋山は下記のように告げています。
文句があるなら自分でつくれ
引用:劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-/配給会社:東宝
障害を持つ緒方へ浴びせた罵声です。
酷い…と感じる人もいたかと思いますが、緒方は元々頑固者で味にはうるさい男なのです。
一生懸命作った料理に文句をいわれたら、やはりイラっと来るのも当然なのではないでしょうか。
緋山はストレートな性格なので、つい口から出てしまったのでしょう。