しかし緒方は困難に立ち向かうような人物であり、緋山のありのままを受け入れている姿は素敵でした。
母親に隠された雪村の過去
劇中では様々な物語がクロスしていましたが、家族の絆を描いていたのが雪村の母親です。
雪村と母親のシーンは、いわばドラマの裏側を観るような演出になっていました。
ドラマに登場する雪村は元々、対人関係を上手く築くことが出来ない人物だったのです。
なぜ彼女が偏った性格をしていたのか…。
アルコール依存症という母親の育児放棄、愛を受け取らずに育ったという背景が描かれていました。
劇場版で彼女の謎が解明されたのではないでしょうか。
藍沢の緊急連絡先に家族がいない理由
劇中、山下智久演じる藍沢は肺挫傷になってしまいましたが、ここに彼の過去について知っておくべき背景が隠れていました。
肺挫傷というもの
映画の中では詳しく語られていなかったのですが、肺挫傷はかなり危険な状態です。
胸部の障害により引き起こされる肺の外傷である
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/肺挫傷
感電したことよりも、落下した衝撃が彼の命を脅かしたのでしょう。
程度にもよりますが、酸素濃度が低下することで命にかかわってくるようです。
藍沢の仲間たちが必死に回復を願っていたのは、命にかかわることだったからなのです。
語られた祖母の死
ドラマでは藍沢の両親は離婚し、祖母である絹江が彼を育てています。
絹江は入院している状態だったのですが、本作で2年前に死んだという事実が明かされています。
絹江が存命だったなら、藍沢の緊急連絡先には彼女の名前が記されていたことでしょう。
母は自殺し、父は生存している
藍沢の母親は優秀な研究者でしたが自殺しています。
母親の自殺は、子供の藍沢に大きな要撃を与えたのではないでしょうか。
また父親は離婚後、自分は死んだと藍沢に伝えておりずっと疎遠な関係というわけです。
彼の緊急連絡先に家族の名前がないのは、家族間の不幸な事情がある為といえるでしょう。
雪村が劇中でいったような恵まれた家庭環境ではなかったということになります。
ドラマの内容がぎっしり詰まった劇場版
『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』は、2019年に地上波初放送され、映画館同様に多くの感動を与えてくれました。
同じ時間軸にそれぞれの物語を詰め込んだ贅沢な作品です。
新垣結衣が演じる白石が最後にはフライトドクターのリーダーになるなど、候補生の頃を知るファンには感無量の演出です。
この映画はドラマの内容を知ることで、より味わい深い映画になるのではないでしょうか。