だからこそ彼女にとっては突然の告白となり、思いもよらない展開に頭が真っ白になるくらいの衝撃を受けたというわけです。
告白を断ったのも、なんと答えていいのかわからずに思わず口に出てしまったのではないでしょうか。
爽子は人と向き合うことが苦手だった
爽子は人の為になりたい、という願望が強い女の子として描かれています。
しかしそれ故、自分の気持ちを口に出さない癖がついていて他人との付き合い方が下手なのです。
真っすぐにぶつかってきた風早に対しても、気持ちを受け取ることが出来ずに逃げ出しています。
あやねと千鶴の後押しで、やっと風早の気持ちに真正面から向き合えるようになったのです。
サッカーボールを蹴らせたわけ
劇中で風早は爽子にサッカーボールを蹴らせるシーンがありますが、なぜ彼はボールを蹴らせたのでしょう。
爽子のモヤモヤを吹き飛ばす為
爽子はあやねや千鶴と一緒にいたいという本心と、迷惑が掛かるからという心のブレーキの間で悩んでいます。
彼女の心はどちらにも振り切れない状態です。
風早はそんな爽子の心を本心に従うべきだと、思いを振り切らせる為にサッカーボールを蹴らせたのではないでしょうか。
爽子の気持ちを引き出す為
本当は二人と居たい、でもみんなに迷惑を掛けたくない
引用:君に届け/配給会社:東宝
上記のセリフが爽子の本心です。
この気持ちをそのままあやねや千鶴に伝えるだけでいい、と風早は教えたかったのでしょう。
サッカーボールを相手へめがけて蹴ることは、まるで自分の気持ちを前に解き放つようなものです。
ボールを蹴りだすことで、自分の本心を伝えることが大切だということを示したのでしょう。
気持ちの伝え方を教えた
風早は爽子と真逆な性格で、自分の気持ちをストレートに伝えてくる人物です。
サッカーボールを蹴らせることで、どうやったら気持ちが相手に届くのかを爽子に教えてあげました。
パスってさ、本気で届けと思わないと、ちゃんと受けてもらえないんだよ
引用:君に届け/配給会社:東宝
風早の上記のセリフは、本作からのメッセージともいえる内容です。
ここでいうパスは、自分の心のことを指しているのではないでしょうか。
気持ちをなんとなく口にするだけでは足りないから、しっかりと「届け」という気持ちを添えることが大切だと伝えています。
なぜ爽子はくるみを庇ったのか
桐谷美鈴演じる胡桃沢梅(くるみ)は、見た目は可愛い女の子ですが、周りを騙すような性格の女の子です。
彼女からひどい仕打ちを受けたにもかかわらず、爽子はなぜくるみを庇ったのでしょう。
友達だから
当初劇中で爽子はくるみのしたことを否定していましたが、その理由が「友達」という言葉です。
邪魔な爽子を除外するためのくるみの演技も、爽子には通じなかったのでしょう。
実際にくるみが犯人だったと知った後も、爽子は「友達」という言葉を使っています。