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『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』は「ショーン・オブ・ザ・デッド」で一躍名を馳せたエドガー・ライト監督作品。
田舎町に左遷された敏腕警察官と、作られた平和な街を守ろうとする自警団との抗争を描いたブラック・コメディ映画として多くのファンを獲得。
リバイバル上映を期待する声が実現されるほど、多くの映画ファンを魅了した作品の1つです。
今回は、主人公ニコラスがロンドン警察への復帰を断りサンドフォードに留まった理由を考察。
登場人物の思想を考えながら正義の真意に迫っていきます。
ニコラスがサンドフォードに残った理由は?
ニコラス・エンジェル(サイモン・ペグ)は何でもそつなくこなせるハイスペックなキャラクターです。
1人で10人分の仕事をこなせる彼は、警官として犯罪の検挙率を一気に伸ばしてくれるスーパーポリス。
彼はなぜロンドン本部に戻りエリート街道に返り咲けるチャンスを捨て、サンドフォードに残ることを選んだのでしょうか。
相棒の存在
ニコラスを大きく支えたのは、ダニー・バターマン(ニック・フロスト)の存在です。
ダニーは警察というものに対する自分の理想と正義感をしっかりと持っていました。
ニコラスを友人として扱うダニーは優秀ゆえに孤独だったニコラスの心に半ば強引に踏み込み、気がつくと友人ポジションに。
自警団から命を救ったこともありニコラスはダニーを相棒として位置付けます。
それまで一匹狼のように行動してきたニコラスにとって、ダニーの存在は彼の人生にそれまでなかった喜びを与えたのでしょう。
ダニーと一緒にサンドフォードを導こうと考えたからこそ、ニコラスはロンドン市警への復帰を断ったのです。
新たな基礎が必要なサンドフォードの現状
サンドフォードは元々、平和に見えて規律のなっていない街でした。
さらにニコラスとダニーによる自警団という巨悪の逮捕。
「ビレッジ・オブ・ザ・イヤー」という名誉を無くしたサンドフォードは、ここから新たな街づくりをしなけばなりません。
物理的にも新たなルール作りの必要性からも、ニコラスはサンドフォードの指針となっていく人物です。
彼が街に常駐することで、サンドフォードは新たな正義によって統治される街として変わっていくのでしょう。
サンドフォードの闇
「ビレッジ・オブ・ザ・イヤー」にこだわり過ぎたサンドフォードは、正義の名を振りかざす住人によって大きな悪が隠されていました。
小さな悪を取り締まる巨悪こそ、街の大御所たちが集う自警団です。
街のためを思うあまり間違った道を歩む自警団は、自分たちが悪だという自覚はあったのでしょうか。
自警団の真実
町の有力者が集う自警団は、街のムードを悪くする人物を片っ端から排除。